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フォトジェニックなレトロ旅を。【ホテル雅叙園東京】文化財「百段階段」の企画展で楽しむ“古今東西ニッポンの風景”

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目黒にある【ホテル雅叙園東京】では、東京都指定有形文化財「百段階段」で旅情を掻き立てる企画展「懐かしく新しい“レトロ”を旅する 古今東西ニッポンの風景風景」を、2024年1月14日(日)まで開催中。ノスタルジックな旅のイメージが広がる体験です。

 

|レトロで懐かしい日本の旅

 

今回の企画展では、架空の宿屋「旅亭 雅楼(みやびろう)」での、ノスタルジックな旅の風情をイメージ。「雅楼」の前身は、江戸末期に創業した旅籠「雅」。関東大震災で焼失し、分家筋の下田「雅」に身を寄せていましたが、昭和6年(1931年)から復興を目指して再開業。名物料理は鯉こくで、著名人も足繫く通う名旅館という情緒あふれる設定です。

 

▲入口にかかる暖簾には「旅亭 雅楼」の家紋が染め抜かれています

 

今回の企画展のために制作された「旅亭 雅楼」の家紋は、丸に三つ組子と牡丹。幸福と富貴の象徴である牡丹の花が、訪れる旅人の不老長寿を願います。伝統的な日本旅館の暖簾をくぐるような演出からはじまって、そこかしこに飾られた黒電話や木彫りの置物など、懐かしさを感じられる始まりです。

 

▲東京都指定有形文化財「百段階段」

 

斜面の中腹に7部屋の宴会場を設け、99段もの木造の階段でつなぐ文化財「百段階段」。広間ごとに「旅亭 雅楼」の旅館を思わせるしつらえや「祭り」、東北の民芸品「こけし」のコレクションや温泉街で見かけた記憶のあるネオンサインなど、懐かしさと郷愁が呼び覚まされる古き良き日本の旅を体験します。

 

▲「十畝の間(じっぽのま)」に再現される架空の旅館「旅亭 雅楼」の客室

 

格天井に描かれた日本画壇の巨匠荒木十畝の花鳥図をはじめ、黒漆の長押や格子を飾る螺鈿細工がちりばめられた広間には、架空の旅館「旅亭 雅楼」の客室を再現。衣紋掛けや鏡台が置かれ、レトロな机がある書斎スペースは、座って撮影できるフォトスポットになっています。

 

▲旅館の客室で見かける窓辺のスペース「広縁(ひろえん)」を再現

 

▲日本の祭りをテーマに飾り付けられた「漁樵の間(ぎょしょうのま)」

 

極彩色の天井や欄間など、絢爛豪華な広間は日本の祭りがテーマ。江戸時代の縁日風景を再現して、郷土玩具やお面、酒器などが飾られ、賑やかな祭りの一日が繰り広げられています。

 

▲「旅亭 雅楼」の家紋が入る樽酒や枡を飾るこだわり

 

|旅に出たくなる懐かしい風景

 

旅先で出会う様々な風景や民芸品。驚くほど多彩で楽しいこけしのコレクションや、地域ならではの懐かしい味「ご当地パン」など、実際の旅に誘われるような展示も楽しめます。

 

▲こけしの魅力にぞっこん!

 

「草丘の間」では、郷土玩具蒐集家でイラストレーターの佐々木一澄氏が集めた、東北6県の伝統こけし約200体を展示。伝統こけし11系統の分布図や個々の特徴なども解説され、個性豊かな形や色づけ、表情などを楽しみながら、心惹かれるこけしの魅力や奥の深さを知ることができます。

 

▲昔のこけしと、現代のこけし

 

茶色くくすんだ古いこけしは、佐々木氏が手に入れた宮城県の弥治郎集落で製作された弥次郎こけし。この古いこけしをモチーフに、現代の作家に作ってもらったものが左に並ぶ新しいこけし。新旧のこけしに宿る、タッチの違いや作家のこだわりの違いを見られる展示です。

 

▲「静水の間」

 

イラストレーターの中村杏子氏が思い描いたレトロな商店や建物、街並みなどを、ポップでカラフルに描いた作品集『家内幸福』と『郷愁的商店街図集』から、作品を大型パネルで展示。描かれたお店や看板は、過剰にレトロで非現実の異空間。クリームソーダなどが用意されたフォトスポットも用意します。

 

▲中村杏子作『ネオン稲荷』

 

様々なものが描き込まれたカラフルで稠密な作品は、一点一点じっくり眺めると中村杏子氏ならではのユーモアあふれる発見を楽しめます。

 

▲「星光の間」に輝くネオンアート

 

文化財「百段階段」の企画展で初め展示されたネオンアートは、イラストレーターのはらわたちゅん子氏とネオン制作会社アオイネオンのコラボ。架空の温泉街の看板を描いたシリーズ『ゆのまちネオン』より、ネオンサイン調のイラストパネルとともに、作品の一部を本物のネオン菅で制作。鄙びた温泉街に光るネオンのような幻想世界を楽しめます。

 

▲『ゆあがりネオン』

 

アオイネオンがネオン菅で制作したはらわたちゅん子氏の『ゆあがりネオン』。ネオンガスが発光するやわらな光は、妖しく光る独特のネオン浴に浸れます。

 

▲旧目黒雅叙園の想い出を飾る「清方の間」

 

ホテル雅叙園東京の前身「旧目黒雅叙園への旅」をテーマに、今はなき百人風呂や庭園などを描いた絵はがきのほか、当時の新聞広告やパンフレットなど、時を超えたこの地への旅に思いを馳せる展示です。写真は90年前の結婚式の式次第や風呂敷など、往時をしのばせる品々です。

 

▲「頂上の間」はレトロ美味しいご当地パンの世界

 

今回の企画展の最後を飾るのは、ほぼその地域でしか出会えないご当地パンの世界。文筆家の甲斐みのり氏が、旅する中で出会ったパンを紹介した著書『日本全国 地元パン』から、47都道府県の地域に根付く愛すべき “ご当地パン” をパネルで紹介。さらにレトロなデザインが可愛らしいパンの袋も大集合。旅先でご当地パンを買いたくなる。そんな展示を楽しめます。

 

▲著書『日本全国 地元パン』を持つ甲斐みのり氏

 

地元パンの袋が並ぶフォトスポットも用意。その土地やお店の魅力が伝わるパッケージたちが素敵です。「パンの袋はデザインナーというより、地元の印刷所の方が知恵を絞ったデザインが、いい味をだしているんです」という甲斐みのり氏の言葉が印象的でした。

 

【ホテル雅叙園東京】で開催している東京都指定有形文化財「百段階段」の「懐かしく新しい“レトロ”を旅する 古今東西ニッポンの風景」展。民芸品や全国のご当地パンなど、懐かしさと共にレトロポップな新しい情景にも出会えます。まだ見たことのない日本の旅の風景を、探してみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:ホテル雅叙園東京 https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/nippon


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