日常から離れたスペシャルな食事体験を愉しみたい。そんな方には、ホテルディナーがおすすめです。美食のホテルとして名高い【仙台国際ホテル】には、フレンチレストラン「ロジェ ドール」を筆頭に、仙台一と言われる中国料理「翠林(すいりん)」や日本料理の名店「仙台 なだ万」が入店。今回は「ロジェ ドール」のスペシャルメニューを紹介します。
|フレンチで宮城の魅力を味わう
「ロジェ ドール」のディナーやランチは、宮城県産の素材の魅力をフレンチの技法で引き出した味つけ。豊富にストックされたワインはもちろん、フレンチに最適な日本酒も用意します。今回いただいたディナーはコースメニューにはない特別料理で、美味しいお酒もその料理に合わせて特別に選んでいただきました。
▲ホテル5階にあるフレンチレストラン「ロジェ ドール」
乾杯のシャンパーニュは、アンリオのブリュット・スーヴェラン。清涼感のある豊かな口当たりは、ディナーの始まりにぴったり。古くはオランダ王室やオーストリア・ハンガリー帝国皇室の御用達となり、現在も各国の三ツ星レストランがハウスシャンパーニュに選ぶ逸品です。
▲乾杯のシャンパーニュは「アンリオ・ブリュット・スーヴェラン」で
アミューズは、女川産海蛸のスモークや志津川産鮑の柔らか煮、殻付きで運ばれた七ヶ浜町産ガゼ雲丹のラヴィゴットソースなど宮城県で獲れた海の幸が並び、少し後から熱々のタルトレットが運ばれます。タルトレットにはホテルのシェフが養豚の盛んな大崎市田尻地区で作ったオリジナルの生ハムが入るので、よく味わってみてください。
▲宮城県産の厳選された海の幸をいただく「アミューズ」
フレンチにペアリングしたのは、宮城県大崎市にある新澤酒造店の「伯楽星」純米大吟醸。ブルゴーニュグラスでいただくとフルーティで華やかな香りを楽しめます。“究極の食中酒をめざしたお酒”として、軽やかで飲みやすく、フレンチコースのどのシーンにも相性がよく、いつの間にかグラスに手が伸びてしまう魅力的なお酒です。
▲料理を楽しむための日本酒「伯楽星」純米大吟醸は、JALの国際線ファーストクラスにも採用されています
マッシュルームに似たパン・シャンピニオンは、生地から作ったホテル自家製。ヘタの部分はカリカリで、外はパリッと中はもっちり。香りも豊かで、蔵王バターとスペイン産手摘みオリーブオイルをつけていただきます。
▲ホテルメイドにこだわったパン「シャンピニオン」
ボーヌ郡で最良とされる“幼子イエスの畑”で収穫されたピノノワール100パーセントのブルゴーニュワイン「ボーヌ グレーヴ ヴィーニュ ド ランファン ジェズュ ドメーヌ ブシャール ペール エ フィス」。
▲フルーティな香りと豊かに広がるドライで上質な味わい。こちらも、今回のディナーを通じてどの料理のアクセントにもなるワインでした
オードブルは、仙台市泉区にある田代農園で採れた蕪に、石巻産のマコガレイと牡丹海老のタルタルがのる風味豊かなブラマンジェ(白い料理)で、塩味の効いたキャビアと金箔をトッピング。まわりには食感の違いを楽しめるようダイスにカットした蕪が散らされ、宮城県最南端の丸森町で採取した蜂蜜を使ったフランボワーズソースでいただきます。
▲オードブルは「市名坂田代農園のブラマンジェと石巻産マコガレイ牡丹海老のハーモニー 蜂蜜とフランボワーズヴィネガー風味」
ここで2種類のスープをいただきます。ひとつはデミタスカップで運ばれる「もぎたて玉葱黍の冷製スープ“カプチーノ”ベーコンの薫り」。水と少量の塩だけで味つけした甘味の強いスイートコーン“ゴールドラッシュ”は、口の中に旨味が広がる冷製スープで、牛乳を泡立てたカプチーノ仕立てです。
▲「もぎたて玉葱黍の冷製スープ」は、スプーンにのった素揚げしたコーンと共にいただきます
まず驚くのが、ガラスのティーポットに入ったコンソメスープが、シャンパングラスに注がれること。パフォーマンスを目で楽しみ、豊かな香りを満喫してから、味を確かめるという趣向。肉をはじめ素材の旨味が口の中で広がります。コース料理のスープから、プラス\1,000で変更できます。
▲2番目のスープは「ホテル伝統仕立てのコンソメスープ~シャンパンフルートに注いで~」
魚料理はアカムツのエスカロップ(薄切り肉)。フュメ・ド・ポワソン(香味野菜を加えた魚出汁)をベースに、白ワインやバターを使ったブールブラン(白いソース)をかけ、さらに味わいを深める赤ワインを使ったブールルージュソースが彩ります。
▲「石巻産アカムツのエスカロップブールルージュソース バジルオイルをアクセントに」
メインディッシュは「仙台黒毛和牛フィレ肉の塩竃の藻塩入りパイ包み」で、通常はパーティーや記念日などで提供される特別な料理です。黒毛和牛の塊が、この日は薔薇の花とブドウ柄のパイに包まれて登場。目の前でシェフが仕上げる、五感で楽しむ料理です。
▲メインディッシュの「仙台黒毛和牛フィレ肉の塩竃の藻塩入りパイ包み ~備長炭で炙って~」
2時間半ほどかけてゆっくり火入れしたパイ生地の中には、蓮の葉に包まれた黒毛和牛が入っています。パイに包んで低温で焼き上げると塩分が肉の中に浸透し、深い味わいに仕上がります。
▲パイを開けると……
▲最後はシェフが備長炭で肉を炙り、香りづけをします
グレービーソースや赤ブドウの入った紫色のヴィオレマスタード、塩釜の岩塩など、お好みでいただきます。厚切りのお肉はとても柔らかく、塩味も絶妙。肉の旨味や蓮の香りが口の中で広がりました。
▲パイ包みの仙台黒毛和牛のフィレ肉は、ジャガイモをつかったドフィノワーズグラタンが付け合わせ
デザートのピーチメルバは、福島県を代表する桃「あかつき」のなかでも、29年もの間皇室へと届けられる県北部の桑折町の献上桃。白石市にある竹炭を飼料にした「竹鶏たまご」のバニラアイスが添えられます。
▲最初のデザートは「福島県桑折町献上桃「あかつき」のピーチメルバ 白石蔵王竹鶴たまごのグラスヴァニーユとともに」
さらにワゴンサービスのスイーツが運ばれ、好きなものを選べます。全種類頼む方も多く、全ての味を試したいところ。注目は、アミューズスプーンにのる名取市「Natu-Lino(ナチュリノ)」のミルクジェラート。バイデン大統領が来日した際、夕食会で提供された逸品です。
▲2番目のデザートは「シェフパティシエのスペシャリテ ~ワゴンサービス~」。記念日やお誕生日には、プラス300円で絵やメッセージを入れられます
▲コーヒーと共に運ばれるホテルメイドの可愛い小菓子もお好きなものを選べます
小菓子と共にいただいたのが、サトウキビの糖蜜で造る濃密なラム酒。カリブ海の島バルバドスにある蒸留所「マウントゲイ 1703」の、10年から30年熟成した原酒をブレンドした限定品「オールドカスク セレクション」。ラム酒の入ったケーキや焼き菓子、ラムレーズンなどはよくいただく機会がありますが、ラム酒とスイーツの組み合わせは斬新で、かつ驚きの体験でした。
▲小菓子の甘さに負けない芳醇なラム酒の味わいは、忘れられない印象を残します
意外性のある盛り付けや香りを楽しむ工夫、宮城県産の素材の良さが感じられるフレンチディナーは満足感いっぱい。美味しいワインやラム酒はもちろん、日本酒とのマリアージュには驚かされました。親しみやすいソムリエとともに、料理のアクセントになるドリンクチョイスを楽しんでみてください。
|ホテルの楽しみといえばバータイム
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2022/08/28| TAGS: lifestyle
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