新潟県長岡市郊外にある“醸造の町”摂田屋(せったや)地区。古い店構えの建物が、手造りにこだわる【味噌星六】です。全部の味を試してみたい! そんなオリジナル味噌を紹介します。
|漫画『美味しんぼ』にも登場した手造り味噌
こだわりのお味噌を作り続けて50年。もとは電気会社の技師という異色の経歴を持つご主人が、安心して食べられる美味しいお味噌を作りたいという一心で創業。木桶発酵など昔ながらの天然熟成製法で作られた “懐かしい味” のお味噌です。
▲建物は大正7年築。宮内駅から徒歩10分ほどの摂田屋(せったや)地区にあります
お味噌は「こだわり味噌」、「昔作り味噌」、「米味噌」、「麦味噌」、「越後赤味噌」の5種類で、それぞれ1年ものから3年ものの熟成味噌を用意。原料は無農薬・無添加の国産素材で、主に秋田県で栽培される有機栽培の米と大豆で作られます。さらに「こだわり味噌」以外のお味噌には、赤穂の塩を使います。
▲お店では、お味噌やあま酒などを販売
「越後赤味噌」は米麹(こめこうじ)の香りや甘みが特徴の食べやすいお味噌で、豆味噌のような赤色ですが米味噌。「麦みそ」は新潟県産の大麦の麹を使います。
▲麦みそ、越後赤味噌
米麹や豆麹を使った昔ながらの味わいを追求した「こだわり味噌」は、他とは材料が異なります。大豆の一部には新潟津南町で生産される甘みと旨みの強い「さといらず」が使われ、煮ると灰汁は抜けますが旨味もなくなるので、蒸して作られます。塩は伊豆大島の高級品「海の精」。味噌の柔らかさを左右する水は、山の湧き水を使うご主人入魂の逸品です。
▲「こだわり味噌」
発酵の力を利用した美味しい「甘酒」もおすすめです。玄米と米麹を合わせて熟成させた甘酒は、自然な甘みと旨み、コクを感じます。この他麹だけの甘酒や、雑味のない七分精米の米と麹を熟成させた「白あま酒」もラインアップします。
▲「玄米あま酒」
|おいしいお味噌へのこだわり
お味噌は熟成度合によって味が変わります。星六の店頭では、上の棚は優しい味わいのお味噌を並べ、下の棚はちょっと深い味わいです。色の違いは旨味の印で、糖分とアミノ酸が絡み褐色に変化します。
ご主人曰く、1年目ものは人間でいう10代のころで、旨味やしょっぱさ、甘みがバラバラですが、爽やかな味わい。1年目が好きな方も多いとのこと。2年目は人間でいう30代で、尖っていた塩が丸くなって塩角がとれ、味がより出てきます。そして3年ものは人間でいう60代から70代。旨味がより出たお味噌に仕上がります。
漫画『美味しんぼ』の16巻では3年ものが紹介されていて、3年ものには熱烈なファンも多数。なお、熟成の癖が気になる方は、「1年ものか2年ものがおすすめ」とのことで、ご店主は2年もの、奥様は1年ものと好みが分かれるそうです。
発酵の町摂田屋にある個人経営の味噌蔵。美味しいお味噌が家にあると、食事が楽しくなること請け合いなので、一度試してみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:味噌星六 https://hoshi6.com/>
2023/11/12| TAGS: lifestyle
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