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男性学から学ぶデキる女性へと成長するヒント2

男性の方が“いじられやすい”社会?!「男性学」から学ぶ“デキる女性”へと成長するヒント(2)

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最近では「仕事も育児も家事もこなす」女性の大変さがクローズアップされることが多い一方で、男性も「しっかり仕事するのはもちろん、家事も育児も積極的にサポートするべき」という風潮になっています。男性はもしかしたら女性と同じくらい、またはもっと“大変さ”を抱えているのかもしれません。

 

そんな現状について「男性学」を提唱する田中俊之さん(以下、田中先生)の言葉から、現実と折り合いをつけながらうまくやっていくにはどうしたらいいのかを知り、“デキる女性”へと成長するヒントを紐解いてみましょう。

 

▲大正大学心理社会学部人間科学科 准教授・博士 田中俊之さん

 

 


 

 

第2回:「女はつらいよ?」会社員・はなこ(28歳・独身)の場合

 

ここは、あるオフィス街にほど近い(架空の)居酒屋。相席になったもの同士、年代や性別、立場をこえて深い話まで発展することも…。現在が男女双方にとって矛盾のある“生きにくい世の中”であることを確認した前回に引き続き、はなこと田中先生の会話は続いています。

 

 

 

■男性は強いから酷使していいの?

 

 

《田中先生》

例えば男性に対して、独身でいることや体型・頭髪などを“いじる”のは、男性のことを多少雑に扱ってもあまり問題視されない、という背景があります。

 

昔から、男らしさ=乱暴・不真面目・大ざっぱ、と言われていて、そのステレオタイプで表現される男らしさの設定に合わせると、男性自身の扱われ方も乱暴になりがちです。

 

 

《はなこ》

なるほど~。だからテレビ番組でも男性芸能人の方が”いじられ”やすいのかな? 最近「だんなデスノート」っていうちょっとこわいサイトを見たんです。私は女性だから、このサイトの内容がこわい! って思いつつも、どこか笑えたり、スカッとしたりもしたんだけど…でもそれも、ここでボロクソに言われているのが男性だからですよね。これ、男女の立場が逆だったら笑えない…。なんでだろう?

 

 

《田中先生》

「夫が妻の悪口を言うと笑えない」のは、まだ日本が男性上位の社会だからではないでしょうか。男女平等と言ってはいるものの、日本はまだまだ男性社会です。夫を批判することは「強い者いじめ」という構図になるので成立しているのだと思います。

 

 

《はなこ》

たしかに。男性は「強い」から多少酷使しても大丈夫、そして一生働くべき、ってどこかで思ってたかも…。

 

 

《田中先生》

そう考えている人が男女共に多いでしょうね。でも、実は男性も、働かないことも選べるし、もちろん働いたっていいんですよ。大事なのは、そのどちらかを女性のように自分で選ぶ、ということ。

 

ほとんどの男性が、「男は一生働くべきである」と疑問をもたずに受け入れているのは、とても不思議です。さらに、最近は男性も結婚したら、育児や家事にもっと関わるべきだとされていますよね。でも、それを実現したら、男は仕事第一で打ち込んでさえいればいい、というのは、すでに無理がありませんか?

 

 

《はなこ》

私、結婚したら、旦那さんには家事も育児も手伝ってほしい、でも仕事もしっかりしてほしい、って。どちらも完璧を求めていたかも!

 

う~ん、実際に家庭と仕事を「両立」している男性にも話を聞いてみたいなぁ・・・。

 

 

〜〜すると、はなこと田中先生との会話を隣で聞いていたスーツ姿の男性・たろうが口を挟んだ〜〜

 

 

《たろう》

結婚してからの仕事と家庭の両立について知りたいの? 話してあげるよ。

 

 

<(3)へつづく>

 

 


 

 

男性も女性と同じくらい大変、もしかしたら女性より縛られるものが多くて大変…? 次回は田中先生から仕事と家事・育児の分担のコツ、現実を乗り切るためのコツを教えてもらいます。<text:Hisae.I>

 

注:「田中先生」の発言は田中俊之さん(大正大学心理社会学部人間科学科 准教授・博士)へのインタビューによるものです


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