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夏の里山で満喫する“アート”☆ 越後妻有「大地の芸術祭 2015」フォトレポート【1】 

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いまや全国各地で開催されているアートイベント。今回訪れた新潟県・越後妻有で開催される「大地の芸術祭 トリエンナーレ」はその元祖とも言うべき存在で、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭の1つ。自然いっぱいの里山エリア一帯が会場となり、現代アート作品が展示されています。また、会場は米どころ・新潟県ということもあり、実り豊かな地場のお米や野菜など「食」も楽しめるのも魅力の1つです。

 

今年の「大地の芸術祭 トリエンナーレ」には、なんと合計「約380点」もの作品が展示されているとのこと。さすがに全部を見るのは難しいので、見たい作品をピックアップして1泊2日で出かけてきました。個人的には一番最初に開催された2000年以来の訪問で、ワクワクな気分が抑えられません。

 

 

 

|まずはメイン会場「越後妻有里山現代美術館[キナーレ]」へ

 

まず最初に訪れたのは、「大地の芸術祭」のメイン会場「越後妻有里山現代美術館[キナーレ]」(以下、キナーレ)。中に入ると、まず目に飛び込んでくるのが特別企画展「蔡國強 蓬莱山」。壮大なスケールで圧倒されること間違いナシ、必見の作品です。

 

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池に浮かぶ島は、古代中国で仙人が住むといわれた東の海の島「蓬莱」。キナーレの天井よりも高くそびえ立つ立派なその島は、木によって全体が覆われ、水が流れ、所々にスモークが上がっています。

 

その周囲に建物の天井から吊り下げられた藁細工は、「地域の匠たちからその技を学び、越後妻有地域のこどもたちとともに作り上げた約1,000体にもおよぶ協働の作品」とのこと。

 

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この藁細工の作品はいろいろ高さに吊り下げられていているので、目の高さでじっくりと見ることもできます。

 

 

 

またキナーレの中にはこの特別展示以外にもとても興味深い作品があります。

 

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ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー「ゴーストサテライト」…越後妻有で廃材となった生活用品、農具などを使って作られた作品(衛星)。一つひとつの作品に使われている材料のユニークさに目を奪われます

 

 

 

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シルパ・グプタの「忘れられた道」…道路の整備で便利になる一方で、今まで長い間使われてきた道がなくなっていく状況を表現した作品。テーブルの上に並べられた写真の中から、気に入った1枚を持ち帰ることができます

 

 

 

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カールステン・へラーの「Rolling Cylinder, 2012」…「床屋さん」の看板の赤白青の螺旋模様が回転するトンネルを通り抜け、平衡感覚が揺さぶられる作品。インスタなどで見かけることも多いかも

 

 

 

キナーレでは敷地内の屋外スペースに展示されているものを含めると約20の作品が楽しめるので、ここを訪れるだけでもかなりの満足感が得られるはずです。

 

一通りキナーレ館内の作品を見終えたところでちょうどお昼過ぎくらいの時間だったので、キナーレ内の「越後しなのがわバル」で昼ご飯でも…と思ったのだけど、この日は団体客でしばらくの間入れない状態(泣く泣く断念…)。

 

キナーレ隣の道の駅で買った地元産の「にんじんジュース」と「トマトジュース」で胃袋を落ち着かせてから、キナーレから車で約20分のところにある「うぶすなの家」に向かいます。

 

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|現代陶芸家達の作品がたくさん展示されている「うぶすなの家」

 

「うぶすなの家」1階には、日本を代表する陶芸家たちが手掛けたいろり、かまど、洗面台、風呂といった作品があり、地元の食材を使った料理を陶芸家の器で提供してもらえます。そして3つの茶室で構成された2階にもやきものが展示されています。

 

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まずは作品鑑賞前にランチタイム☆ といっても入口に据えられたかまど、テーブル代わりの囲炉裏、そして使用されている食器など、ごはんを食べながらでも、じっくりと作品鑑賞できます。

 

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「うぶすなカレー」をオーダーすると、待っている間に、「今日は野菜がたくさんとれたって、近くのお母さんたちが持って来てくれたのよ~」と、とっても美味しい新鮮なトマトときゅうりの浅漬けを出していただきました。

 

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そしてお待ちかねのカレーは、地元で収穫された野菜の素揚げと肉団子のたっぷり具材で食べ応え十分。カレーの付け合わせの山菜などもとても美味しかったのですが、何よりも驚いたのが白米の美味しさ!(さすが米どころ、新潟です)

 

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個人的には1階にある緑色のお風呂が気に入りました。

 

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|今度は絶対宿泊したい「光の館」

 

その後、「うぶすなの家」から車で約30分のジェームス・タレルの「光の館」に。

 

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個人的には2000年にも訪れた場所ですが、そのときと変わらずきれいな建物。今年から使われている電球がLEDになったそうです。

 

あちらこちらにつくられた光の仕掛けを楽しみながら館内を巡り、一番メインの畳の部屋では、寝転がって天井を見上げ、スライドする屋根によって変化する光を眺めます。

 

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この日は天気も良く鑑賞日和でしたが、光の館の一番の魅力は、宿泊するものしか味わうことのできない「太陽が沈んでいくときの空と光の変化」。まだ写真でしか見たことがないので、絶対に一度は味わっておきたいと改めて思いました。

 

また、「光の館」周辺にも、「レイチェル・カーソンに捧ぐ 〜 4つの小さな物語」などさまざまな作品が展示されています。

 

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|「CIAN」そして「明後日新聞社文化事業部」へ

 

「光の館」から、“地域の芸術文化事業に関する資料を収集・保存している研究所”「CIAN」へと、車で峰方三平方面に向かいます。

 

その途中、15年前にも訪れた、フランシスコ・インファンテの「視点」に立ち寄りました。作品は少し朽ちた印象ですが、当時を思い出して記念に写真を撮りました(笑)

 

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到着した「CIAN」には新作が2つ展示されています。川俣正の「ツマリ・ジオラマ」は、木材を組み上げた彼らしい作品。ジオラマの上を歩いて芸術祭の作品を見て回ることができます。また、その内部には、美術評論家・中原佑介の約3万冊あるという蔵書が並べられていて、まるで秘密基地といった様相です。

 

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「CIAN」内では、宮本博史の「Self Community 峰方について」を見ながら、カフェでお茶を楽しむこともできます。

 

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その後「CIAN」を出て山道を走り「明後日新聞社文化事業部」へ向かいました。

 

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明後日朝顔のつるのつたう建物内の1階には日比野克彦の作品、2階には明後日新聞編集室があり、明後日朝顔プロジェクトの展示や佐藤悠の「ゴロゴロ莇平」に関する展示などを見ることができます。

 

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2003年に旧莇平小学校を拠点に日比野克彦が活動を開始した当時からこのプロジェクトに携わってきた方に偶然お話を伺うことができましたが、作品と地域の関わり方について、そして明後日朝顔の管理の大変さなど…ただ、ここを訪れるだけでは分からないようなお話が聞けて、とても興味深かったです。

 

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だんだんと陽も落ちてきて、ここで1日目は終了。2日目へと続きます。

 

 

「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ2015」
2015年7月26日(日)〜9月13日(日)

 

開催地:越後妻有地域(新潟県十日町市、津南町)
主催:大地の芸術祭実行委員会
共催:NPO法人越後妻有里山協働機構
作品鑑賞パスポート:大人¥3500/高・専・大学生¥3,000

http://www.echigo-tsumari.jp/


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