小説、アニメ、マンガとメディアミックス展開をしている「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」。この物語の鍵となっている、ユニコーンを描いたタピスリー(tapisserie=大型織物。英語のタペストリーと同意)が実在する。この度、初来日を果たしたタピスリー『貴婦人と一角獣』……フランスの至宝に “うっとり” してほしい。
15世紀末に制作された6面の連作『貴婦人と一角獣』は、ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」やフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」のように、時代を超えて輝きを放つ特別な作品だ。
このタピスリーは「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」の五感を表現した5面と、もう1面の「我が唯一の望みに」の6作から構成。貴婦人、侍女、一角獣、獅子を中心にさまざまな動物が美しい千花文様(ミルフルール)とともに描かれている大作。貴婦人や侍女のビロードのドレス、たくし上げられたドレスから見える美しい紋様をもったコット(丈の長いチュニックのような衣服)、首飾りやカチューシャなどの装身具もが細部に渡って描かれ、当時のファッションをうかがい知る事ができる。また、動植物も忠実に描かれており、博物画のような美しさで魅了する。
この作品が所蔵されるフランス国立クリュニー中世美術館を離れるのは、1973年〜74年にメトロポリタン美術館に貸し出されて以来、史上二度目のこと。本展では『貴婦人と一角獣』に関連するタピスリーや彫刻、装身具、ステンドグラスといった同館所蔵のコレクション40点以上が同時に公開されている。開催されている国立新美術館(東京・六本木)の高精細デジタルシアターでは、細部に至るまでをヴァーチャルリアリティ映像で見ることも可能だ。
7月には国立国際美術館(大阪・中之島)で巡回開催される。
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2013/05/07| TAGS: culture
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