newsニュース

一角獣の名画とガンダム

Twitter
LINEで送る

 

小説、アニメ、マンガとメディアミックス展開をしている「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」。この物語の鍵となっている、ユニコーンを描いたタピスリー(tapisserie=大型織物。英語のタペストリーと同意)が実在する。この度、初来日を果たしたタピスリー『貴婦人と一角獣』……フランスの至宝に “うっとり” してほしい。

高精細デジタルシアターでは、凸版印刷(株)、NHK、NHKプロモーションによるVR(ヴァーチャルリアリティ)映像作品「貴婦人と一角獣へのオマージュ」を公開。作品の細部を鑑賞できる。(撮影協力:Musée de Cluny, RMN-GP)

 15世紀末に制作された6面の連作『貴婦人と一角獣』は、ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」やフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」のように、時代を超えて輝きを放つ特別な作品だ。
 このタピスリーは「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」の五感を表現した5面と、もう1面の「我が唯一の望みに」の6作から構成。貴婦人、侍女、一角獣、獅子を中心にさまざまな動物が美しい千花文様(ミルフルール)とともに描かれている大作。貴婦人や侍女のビロードのドレス、たくし上げられたドレスから見える美しい紋様をもったコット(丈の長いチュニックのような衣服)、首飾りやカチューシャなどの装身具もが細部に渡って描かれ、当時のファッションをうかがい知る事ができる。また、動植物も忠実に描かれており、博物画のような美しさで魅了する。

『貴婦人と一角獣』のシリーズ。左から『触覚』(Touch、373cm×358cm、貴婦人がユニコーンの角に触れている)、『味覚』(Taste、377cm×466cm、貴婦人がお菓子を鸚鵡に与えている)、『嗅覚』(Smell、368cm×322cm、貴婦人が花冠を編んでいて、後ろで猿が花の香りを嗅いでいる)、『聴覚』(Hearing、369cm×290cm、貴婦人がパイプオルガンを演奏している)、『視覚』(Sight、312cm×330cm、一角獣が貴婦人の持つ鏡に写る自分の姿に見入っている)、そして『我が唯一の望み』。

 この作品が所蔵されるフランス国立クリュニー中世美術館を離れるのは、1973年〜74年にメトロポリタン美術館に貸し出されて以来、史上二度目のこと。本展では『貴婦人と一角獣』に関連するタピスリーや彫刻、装身具、ステンドグラスといった同館所蔵のコレクション40点以上が同時に公開されている。開催されている国立新美術館(東京・六本木)の高精細デジタルシアターでは、細部に至るまでをヴァーチャルリアリティ映像で見ることも可能だ。

 7月には国立国際美術館(大阪・中之島)で巡回開催される。

 

  『貴婦人と一角獣』とガンダムUCの関わりは?? >>>

 


次のページへ

1 2

border