海や空の青、蒼、碧。森や湖の緑、翠、碧。自然は色で満ち満ちている。私たちが創り出した色の多くは、色見本や色彩理論から生み出されたもの。現在開催されている『色からはじめるデザイン カラーハンティング展』では、私たちを取り巻くさまざまな「色」にフォーカス。色の数だけものの見方がある事に気づかされる。
東京・赤坂の 21_21 DESIGN SIGHT にて開催中の『色からはじめるデザイン カラーハンティング展』は、同展ディレクターを務めるデザイナーの藤原大氏がカラーハンティングしてきた、さまざまな「色」がもつ未知なる可能性を示している。カラーハンティングとは、自然や都市に存在する色を、水彩絵具を調合して紙片に写し取って行くもの。採取した色を、多様かつユニークな展示で見せている。
アフリカのセレンゲティ国立公園に出向き、本物のライオンを前に絵具を調合。その色で生地を染めて制作したブーツが走る「ライオンシューズ」。大震災後から取り始めた365日分の空の色を、近い色の色見本の紙を束ねてオランダのグラフィックデザイナー イルマ・ブルーム氏が本にした「スカイダイアリー」。佐渡トキ保護センターの朱鷺の羽を地元の子どもたちにカラーハントしてもらった「世界色遺産01 朱鷺」。日本各地の水を水質分析したデータをもとに水色に染めた「みずいろハンカチ」……など、ユニークな視点で色をとらえた展示の数々に興味をそそられる。
また新しいプロダクトの可能性として、さまざまな企業とのコラボも興味深い。肌の色と同じ色のメガネがあったら、という視点から制作した「肌色メガネ」は、実際にJINSの協力のもと、さまざまな肌色のメガネが制作・展示。実際に掛けてみる事ができる。「リップインク」は唇の色をカラーハントし、セーラー万年筆のカラーブレンダ・石丸治氏が色を作った。常磐植物科学研究所と Soup Stock Tokyoのに協力を得て、野菜の色素を抽出したり、香味野菜の香りをハントした「ベジスイ・やさいぴぐめんと」など、ちょっとすぐには思いつかない視点が楽しい。
極めつけは色を大きな壁面に射撃する電子バズーカ「遊ぼう! カラーシューティング」。カラフルな色の攻撃にノックアウト!
「色」に導かれる創造的な世界へ。アート好き、ものづくりに携わるすべての人が楽しめる内容だ。
カラーハンティング展
色からはじめるデザイン
http://www.2121designsight.jp/program/color_hunting/
開催中〜2013年10月6日(日)
場所:21_21 DESIGN SIGHT
休館日:火曜日
開館時間:11:00 – 20:00(入場は19:30まで)
入場料: 一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
text::chibahidetoshi
2013/07/03| TAGS: culture
lifestyle
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