8月の銀座で舞踏会?……といっても、これは映画の中のお話。1963年に公開されたイタリアの名匠 ルキノ・ヴィスコンティ監督による『山猫』は、ヨーロッパ貴族社会を見事に描ききった名作。公開から50年を経てデジタル修復により美しく生まれ変わり、この夏、誰もが知るあのラグジュアリーブランドのショップで上映される!
多くのブランドのフラッグシップショップが建ち並ぶ、銀座。メンズ、ウィメンズのフルラインを揃え、日本では唯一のカフェも併設する「GUCCI GINZA」も、スタイリッシュな佇まいで2006年に誕生。以来、多くの人々で賑わいを見せているが……実はここに、映画館があるというのをご存知だろうか?
映画が生まれて1世紀。古典的な名画のフィルムは、退色や破損など劣化の危機に瀕している。『GUCCI CINEMA VISIONARIES』は、こうしたフィルムを高度なデジタル技術によって修復・復元し、高画質なデジタルフィルムとして保存するプロジェクトだ。これは映画監督のマーティン・スコセッシ氏が1990年に設立した「ザ・フィルム・ファンデーション(The Film Foundation)」のプロジェクトをグッチがサポートする形で、2006年より進められている。
これまでグッチの製品は多くの映画スターに愛用され、そして映画の中にも数多くの製品が登場している。そして映画の中のファッションや人物像が、グッチ クリエイティブ・ディレクターであるフリーダ・ジャンニーニ氏のインスピレーションに結びつくことも。貴重な映画作品の保護と次世代への継承は、ファッションの発展にも大きな足跡を残すことになるといっても過言ではない。
デジタル修復を必要とする映画作品は莫大な数があり、その文化財保存の意義を表明するには、修復・復元された作品を実際に見せる必要がある。その日本での公開の場が、グッチ銀座6階「CINEMA VISIONARIES」なのだ。
7月はフェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活」が上映されていたが、8月からは冒頭で紹介したルキノ・ヴィスコンティ監督の「山猫」が上映予定。45分にもおよぶ豪華絢爛な舞踏会シーンが、高品質なデジタルフィルムとなってスクリーンに蘇る。
ちなみに「CINEMA VISIONARIES」は4Kでの上映が可能なスクリーンを備え、なんと20席のみ! ゆったりした上質なソファに掛け、名画を鑑賞するには最適な空間。さらに驚くべきことに、鑑賞は無料。同プロジェクトのウェブサイトで鑑賞予約ができる。
GUCCI CINEMA VISIONARIESでは、これまでに以下の作品を修復・保存している。今後も順次、修復作品が公開される予定なので、こまめにサイトをチェックしてほしい。
『こわれゆく女』(監督:ジョン・カサヴェテス 1974年制作)
『女ともだち』(監督:ミケランジェロ・アントニオーニ 1955年制作)
『ワンダ』(監督:バーバラ・ローデン 1970年制作)
『夏の嵐』(監督:ルキノ・ヴィスコンティ 1954年制作)
『山猫』(監督:ルキノ・ヴィスコンティ 1963年制作)
『甘い生活』(監督:フェデリコ・フェリーニ 1960年制作)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(監督:セルジオ・レオーネ1984年制作)
『黒い砂漠』(監督:フランチェスコ・ロージ 1972年制作)
『We can’t go home again』(監督:ニコラス・レイ)
GUCCI CINEMA VISIONARIES
http://gucci-cinemaroom.com
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2013/07/24| TAGS: culture
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