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ビーチリゾートもいいけれど、緑溢れる避暑地も捨て難い。猛暑が続くこの夏の休息、都心からも行きやすく、豊かな自然環境とさまざまなアートが楽しめる「箱根」はいかが？ ポーラ美術館では、モネが愛した かの有名な “ジヴェルニーの庭” が堪能できる。

モネは風景を描くように人物を描こうと試みた。水面の奥に水草がうねる『バラ色のボート』（左：ポーラ美術館蔵）と、人の影や空、雲が水面に写し出した『舟遊び』（右：国立西洋美術館蔵）。同じ題材ながら、異なる表現が興味深い。

　印象派を代表する画家 クロード・モネは、43歳からの半生をフランス北部オート＝ノルマンディーのジヴェルニーで過ごした。そして、自ら創作活動以外のほとんどの時間を費やしたと言われ、浮世絵に影響を受けたモネらしい日本風の太鼓橋がかかる、見事な “ジヴェルニーの庭” で、あの「睡蓮」や「舟遊び」などの名作の数々を描いた。

　ジヴェルニーの庭を見るには当然ながらフランスまで行かなければならないが、その庭を写し出した名画の数々は、日本でも堪能できる。ポーラ美術館と国立西洋美術館に収蔵されている二大モネ・コレクションを同時に見ることができる画期的な展覧会『モネ、風景をみる眼ー19世紀フランス風景画の革新』が、2013年の夏と冬に開催される。
　まずはこの夏、箱根の地に、涼やかな “ジヴェルニーの庭” を描いた作品が揃えられていて見逃せない。

ポーラ化粧品で知られるポーラ・オルビスグループのオーナー鈴木常司が収集した美術品約9500点を展示するポーラ美術館は、屈指のモネ・コレクションを誇っている。

　ポーラ美術館に併設されたレストラン「アレイ」では、美食家モネが好んだ川鱒やハーブを取り入れた特別メニューや、カフェ「チューン」では「モネの積みわらモンブラン」など作品をイメージしたメニューも楽しめる。また、ミュージアムショップでは本展にちなんだオリジナルグッズとして「『睡蓮』の扇子」やオーガニックソーダ「モネのバラ色のソーダ」なども用意。心ゆくまでモネの世界へと浸ってみてほしい。

　ポーラ美術館の敷地には、貴重な仙石原のヒメシャラの群生林が広がっており、アート作品が設置された緑豊かな美しい遊歩道を散策するのも楽しい。暑い夏の一日、都会の喧騒を離れ、涼しい箱根でアートと自然を堪能してみては？

美術館の裏手には自然の景観を活かし、起伏に富んだ遊歩道が整う。自然やオブジェなどで目を楽しませながら、ちょっとしたハイキング気分が楽しめる。

ポーラ美術館（箱根・仙石原）
2013年7月13日（土）〜11月24日（日）開催
会期中無休　※入館は午後4時30分まで
http://www.tbs.co.jp/monet-ten/pola/

text:：チバヒデトシ（千葉英寿）
最先端の現代美術からデザイン・トレンド、今期のアニメや特撮まで網羅するクリエイティブ全般に鼻の利くジャーナリスト。ブログよりもFacebook、Twitterでのリアルタイムな特性に着目して、新鮮な情報を提供しつづけ ている。デジタルハリウッド大学大学院客員教授。