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ーいまや、日本発の “カワイイ” は世界に認められつつあります。日本人が持つ「美」は新しい美の基準になるのでしょうか？
　美の基準として科学的に有力なものに “平均顔美人” 説などもありますが、それはバランスの整った美人顔の話であって、努力が報われず発展性のない話だと思います。美人にはもう一つ、アーティフィシャル美人というものがあるのではないかと考えています。“カワイイ” が注目されているのは、過去のオリエンタリズムに対するものだけではなく、コスプレやゴスロリなどの浸透で、欧米の方々も変身してアーティフィシャルに変身する美に気づいてきたからだと思うんです。

　日本の女性は“カワイイ”を目指して、個性的な部分と、非個性的な部分の絶妙なバランスを作ります。そうした日本人の持つ美を理解してもらうには、本来の“カワイイ” を正しく伝えなければならないと思います。それには“カワイイ”の数値化も考えたいです。ゆくゆくは日本発の美の新基準を出していきたいと思います。それが受け入れられたら、欧米の人々が日本人っぽいメイクをする転換が起こるかもしれませんね。

＊お気に入りの「きれいの逸品」は？

プリントシール機
『cherrycherry（チェリーチェリー）』
（フリュー株式会社）1回400円
http://www.furyu.jp/2013/06/cherrycherry.html

少し場違いかもしれないのですが、わたしのきれいの逸品は「プリ」です。誰でも知ってるあのプリントシール機の事ですが、わたしにとっては「ナチュラル盛り」にできる「cherrycherry」が、きれいの逸品です。最近のプリ機は画像処理技術が格段に進歩し、実際よりも美しく変身させてくれますが、一時期流行った「超デカ目」にするようなものではなく、ナチュラルに美しく仕上げてくれます。バーチャルの自分が美しければ気持ちが高まり、リアルでも美しくなれそうです。特に「cherrycherry」は、きれいに写る事を重視していて、子どもだけに楽しませておくにはもったいないのです。

＊profile＊

久保友香

東京工科大学メディア学部講師と東京大学大学院情報理工学研究科客員研究員を務めつつ、女性が美しく変身することを支援する美人化装置の研究開発を行っている。また、女性博士研究者7人が集まるヒューマンエンジニアリング・サロン「CHORDxxCODE」のメンバーでもある。2006年東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士（環境学）。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京大学大学院情報学環特任研究員を経て、2012年より現職。
http://beauty-hacker.com 

text:：チバヒデトシ（千葉英寿）
最先端の現代美術からデザイン・トレンド、今期のアニメや特撮まで網羅するクリエイティブ全般に鼻の利くジャーナリスト。ブログよりもFacebook、Twitterでのリアルタイムな特性に着目して、新鮮な情報を提供しつづけている。デジタルハリウッド大学大学院客員教授。