最先端のテクノロジーを自在に操るクリエイター集団、ライゾマティクスが手がけたPerfumeパフォーマンス演出の全貌が明らかに！

 

 

ご存知、テクノポップユニットPerfume。近年では続々と海外進出を果たし、その勢いはとどまることを知らず。そんな彼女たちのミュージックビデオやライブパフォーマンスが、ここ２、３年間で最先端のメディア・テクノロジーを駆使した演出へと変貌していることにお気付きだろうか？

 

その背景には、クリエイター集団ライゾマティクスの存在がある。彼らは2010年、伝説となったPerfume初の東京ドーム公演『1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11』を皮切りに、海外向けグローバルサイトやミュージックビデオ、また紅白歌合戦のライブ演出までをこなし、世界を驚かせる最先端のメディア演出を手がけてきた。そんな中、初台のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で現在開催中の展覧会「ライゾマティクス inspired by Perfume」では、数々のステージを繰り広げてきたPerfume演出の裏側を間近で見ることができる。

 

 

まず目に飛び込んでくるのは、Perfumeが実際に着用した衣装たち。こちらは15枚目のシングル『Spring of Life』のミュージックビデオで初めて披露されたものをはじめ、その後バージョンを変えて制作された「MTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPAN(MTV VMAJ) 2012」使用、2012年末の紅白歌合戦使用の衣装が並んでいる。

 

『Spring of Life』ミュージックビデオ

 

近未来的な世界でヒューマノイドを演じる3人がなんともクールなミュージックビデオ！この音楽に合わせてピカピカと電飾の光る衣装の演出こそが、ライゾマティクスの設計によるもの。照明装置を全身装備し、実際に着て踊れるその仕様はすべてプログラム上でコントロールされている。

 

 

 

続いて、会場内の暗い小部屋に入ると「ちいさなPerfume」がお出迎え。小さな舞台奥に設置された3人の3Dモデル人形の前に、突如としてヴァーチャルPerfumeが目の前に登場する！もしこれが実物大で存在していたら、どんな魔法かと思うことだろう。人形へのプロジェクションマッピングやホログラフィック映像という手法が用いられたこの演出は、TOKYO DESIGNER WEEK2012で出展されたインスタレーション作品だ。

 

 

そして奥の人形は、3人の身体データを超精密に読み取って作られたもの。この身体の3Dデータは海外デビューを記念して制作された『Perfume “Grobal Site Project”』でも公開されている。まさかアイドルの身体情報をインターネット上で見ることができる日が来るとは、ひと昔前では夢にも思わないような事態だろう。会場では、その場で自分自身の3Dデータをスキャンできる体験版も展示されている。ぜひ会場で自身の姿を3Dでスキャンしてみよう。体験者のデータはWebサイト上（http://ex.rzm.co.jp/scan/index.html）で閲覧とダウンロードも可能になっている。

 

 

現実世界とヴァーチャルの間に浮かぶ存在は、まさしく「テクノポップ」を掲げる彼女たちの近未来の姿と言えるだろう。これからもどんな未来を見せてくれるのか、ライゾマティクスとPerfumeが取り組む実験ステージから目が離せない。展覧会は10月20日（日）まで、お見逃しなく！

 

 

「ライゾマティクス inspired by Perfume」
会期: 2013年9月21日（土）〜10月20日（日）
会場: NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]
開館時間: 11:00〜18:00（入館は閉館30分前まで）
休館日: 月曜（月曜祝日の場合は翌日）
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2013/Rhizomatiks_inspired_by_Perfume/

 

text : Arina Tsukada
photo : Osamu Kurihara（4×5 SHI NO GO）