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【うるおい女子の映画鑑賞】心を揺らす愛の形が涙を呼ぶ『GF*BF』(台湾・2012年)

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映画の主人公に影響されて、いつもより明るい色の服を選んでみたり、笑顔が大きくなったり、すこし早めに起きて髪をカールしてみたり。また、映画によって忘れていた感情が湧き上がってきたり、自分自身と深く向き合うことになったり、知らない世界を追体験して刺激を受けたり。

 

そんな体験が、誰にでも一度はあるのではないでしょうか?

 

身体と同様に、こころもエクササイズが必要です。週に1本映画を観ることで、こころの筋肉をしっかりと動かし、“きれい”を活性化しませんか?

 

そんな“きれいになれる”映画を紹介する【うるおい女子の映画鑑賞】。第1回は台湾映画『GF*BF』です。

 

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【『GF*BF』DVD  ¥3,980(税別) 2015年6月26日発売 発売元:ポリゴンマジック株式会社 (c)2012 Atom Cinema Co.,Ltd., Ocean Deep Films, Central Motion Picture Corporation, Huayi Brothers International Media All Rights Reserved】※2015年9月7日現在

 

 

 

この作品は2012年に公開されると、台湾のアカデミー賞といわれる「台湾金馬奨」で主演女優賞・観客賞に輝いたほか、数多くの映画賞に輝いた作品で、男女3人の高校時代からの27年間の“愛”を描いています。

 

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1985年、戒厳令下の台湾・高雄で高校生活を送る美宝、忠良、心仁。やせっぽっちで活発な少女・美宝はいつも、どこへ行くにも一緒だった忠良に恋心を抱くもその想いは届かず、告白された心仁と付き合い始めます。

 

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【心仁(右)を演じるリディアン・ヴォーンは、台湾映画界きってのイケメン俳優】

 

 

大学時代、地元に残った美宝と台北の大学に進学した心仁は遠距離恋愛になりますが、一緒に進学した忠良とともに、鬱屈とした時代背景のなかでも情熱に満ちた青春を送っていました。しかし、忠良がずっと心に抱えてきてひた隠してきたものが、次第に3人の関係を複雑で歪んだものにしていきます。

 

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【遠距離の美宝を愛しつつ、近くに親しい女の子がいる心仁。とても心優しくて素直なのに、女の子を傷つけてしまうイケメン…いますよね?】

 

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【忠良(左)と心仁(右)の友情にも亀裂が入る】

 

 

社会人になると集まることもなくなった3人。彼らを取り巻く世界にはもう、青々とした緑や昼下がりの平和な日差しはありません。たくさんのものを失って、傷付いて、苦しみながら、与えられた生を三者三様に必死に生きています。

 

「どうしてこうなってしまったんだろう…」と思いながらーー。

 

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【高校時代のこの無邪気な関係には戻れない3人】

 

長い年月の中でねじれて形を変えてしまった愛に苦しむ3人。それでも最後にこの映画が見せてくれるのは、生きる意味を感じさせてくれる、あるひとつの愛の形。強くで綺麗で優しい愛であって、それはただただ感動的で美しいのです。

 

 

 

3人をめぐる“愛”は形を変えていきます。

 

フレッシュではちきれそうな無邪気な愛、色香のある愛、歪んで屈折していく愛……、そのすべてを主人公3人とともに経験していくと、エンディングで映し出される愛の姿には涙せずにはいられません。

 

そしてその涙は、きっとこの“愛”に、あなたのなかの綺麗な愛が共鳴したから流れるもので、とても清々しく暖かい気持ちになっているはずです。

 

 

 

週末の「おうちシネマ」にいかがでしょうか?

 

 

text:kanacasper(カナキャスパ)(映画・カルチャー・美容ライター/編集者)
編集を手がけた韓国のカリスマオルチャン、パク・ヘミン(PONY)のメイクブック『“かわいい顔”はつくるもの! 秘密のオルチャンメイク』(Sweet Thick Omelet/DVD付/¥1,500・税別)が好評発売中。こころもからだも豊かに美しくしてくれる日々の”カケラ”をブログで収集中。
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