身体と同様に、こころもエクササイズが必要。週に1本映画を観ることで、こころの筋肉をしっかりと動かし、“きれい”を活性化しませんか? そんな“きれいになれる”映画を毎週紹介する【うるおい女子の映画鑑賞】。
第18回のテーマは「女という病!」。ご紹介するのは、『おんなのこきらい』です。こんなにキュートなビジュアルですが、覚悟してください。女の子のぐちゃぐちゃしてて超かっこわるいところが公開処刑される映画です。われわれ女子がひた隠しにしている”アレ”です。
『おんなのこきらい』 DVD発売中 ¥3,800(税抜) 発売・販売元:TCエンタテインメント (c)2014 GOLD FISH FILMS / MOOSIC LAB ※2016年2月13日現在
|”ぜんぶ”食べたい!
ケーキもパフェもマカロンもチョコレートもアイスクリームも、カロリーや健康を考えなくていいなら全部食べたいし、どうせならココアといちごみるくで流し込みたい。そんな衝動があったとしても、たいてい我慢しますよね?
だけど、それを「後で吐けばチャラ♪」とぜんぶ食べちゃうのが、『おんなのこきらい』の主人公キリコです。可愛らしいデコレーションのスイーツを、部屋でひとり次々と口へ運ぶ過食症の女の子。もちろんおなかの中はぐちゃぐちゃです。だけど、誰もいないところで吐き出していますので、見た目はこのとおり、男なら誰でも興味をもってしまうようなスリムで可愛らしい女の子なのです。
【職場でも男性社員に大人気!モテ女子は合コンにはいきません!】
|愛も、全種類たべたい♪
キリコが欲張りなのはスイーツだけじゃなくて、愛も、とにかく”ぜんぶ”欲しいようです。徹底した”可愛い”史上主義で、(当然)職場の女性陣に嫌われようともどこ吹く風、”女”を使って仕事をとることもザラ。職場や飲み会、そこにいる男子全員にモテたがるこういう女子、いますよね?
【ひとつだけなんて選べないし、人のものだって欲しい!】
|ジャンクな愛にまみれてる
キリコの一人称(そして映画の宣伝では)、彼女は可愛くてモテる無敵な女の子なのですが、実は、けっこう序盤からなかなかイタかったりします。もちろん主演の森川葵さん(ドラマ『ごめんね、青春』のあまりん!)はそれはそれは可愛らしいのですが、彼女の憑依型の素晴らしい芝居がそのイタさをギリギリに表現していて見事です。
だって、あなたの周りの本当に美しい人って、モテていることをなるべく隠す術を身につけているというか、ひけらかすようなことは絶対にしなくないですか?
【先輩の仕事をいわば横取り・・・「可愛い」「可愛くない」の二元論で生きている彼女に、もはや先輩(女)もあきれるしかない】
|からだが拒絶する愛たち
(※以下ネタバレ含みます)
結局、チヤホヤされることにのみ重きを置いてきたキリコですが、一番愛されたい人の愛を得られず、メンタルの崩壊を迎えます。周りの男たちの「可愛い」というジャンク(空っぽ)の愛をむさぼり食べていましたが、実はそれらがじわじわと彼女の体を蝕んでいたのです。蝕まれる時点で、キリコは根っからの悪女ではなく、実は素直な女の子で、自身の無さを「可愛い」という鎧で守っていたことがわかります。一度壊れてリセットされた彼女は、お母さんが作ってくれるご飯のような「愛」に目覚めますが、人生そんなに簡単ではなく新たな試練が待ち受けています。
【劇中に登場するバンドふぇのたすのポップな音楽がかわいいのに狂気じみてて素晴らしい】
|女という面倒くさい生き物
たまに女であることが「本当に面倒だなあ」と思うことはありませんか? すごく穏やかでいつもニコニコいている女友達が彼氏にはあたりがきつかったり、サバサバしていて何事にも執着しない女友達が不倫にドはまりしていたり・・・・・・どうやら周りも大変そう。
キリコを「イタいな」「可哀想だな」「こんな女、身近にいたら嫌だな」と思いつつも、愛おしいと思う人も多いと思います。それは、わたしたち女には大なり小なり面倒なところがあって、みんなそれぞれ、なんとか折り合いをつけて生きているからだと思います。
たぶん、女であるわたしたちがいちばん「おんなのこきらい」って思っていたりして。今週末「おうちシネマ」で自分のなかの「女」と向き合ってみてはいかがでしょう。
text:kanacasper(カナキャスパ)(映画・カルチャー・美容ライター/編集者)
編集を手がけた韓国のカリスマオルチャン、パク・ヘミン(PONY)のメイクブック『“かわいい顔”はつくるもの! 秘密のオルチャンメイク』(Sweet Thick Omelet/DVD付/¥1,500・税別)が好評発売中。こころもからだも豊かに美しくしてくれる日々の”カケラ”をブログで収集中。
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2016/02/13| TAGS: culture
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