土地勘のない道を運転していて、潮の匂いに誘われ、海に出たことが人生の中で何度かあります。
潮の匂いはわかりやすいですが、普段、街を歩いているだけでは、なかなか街の匂いには気づかないもの。意識しなければ感じないままやり過ごしてしまいます。
20代の終わり頃、初めてロンドンに行った時のこと。
10日ほど滞在している間、一度も太陽が出ませんでした。
街全体が湿っぽく、雨が降る前の匂いが漂っていました。
それが私のロンドンの街の匂いの記憶として強く残ったのです。
日本に戻ってからも雨が降る前の匂いがするとロンドンの日々を思い出しては懐かしんでいました。
(その後、ロンドンはそんな天気が普通であることを、何度か訪れるうちにわかってきました)
それからでしょうか。
旅先で匂いを意識するようになったのは。
甘いキャンディーのような匂いのアメリカはロサンゼルス、
ほこりに少しカレーを加えたような匂いのインドはデリー、
発酵が進んだキムチのような匂いの韓国はソウルなど、
自分だけが感じた匂いの記憶として残っているようです。
匂いは目に見えません。
だからこそ街の匂いを感じたら、意識して嗅いでみることにしています。
それが生ゴミの臭いってこともあるんですけどね。
text:イシコ http://sekaisanpo.jp/
2017/04/21| TAGS: lifestyle
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