とある田舎街を散歩していた時のことです。
雨雲が現れたと思ったら激しい雷雨になってしまい、近くの店に飛び込むように入りました。
使い古されたベルベットのソファが置かれ、レトロな香り漂うカフェというより喫茶店です。
おそらく雨が降らなかったら一生入らなかったかもしれません。
私は旅に折り畳み傘を持っていきますが、
ホテルを出る時に雨が振っていなければ持っていくことは、ほとんどありません。
突然、雨が降ってきても、たいていの雨は小降りになる時間帯があるので
コーヒーを飲んで待つことにしています。
「水やりをやらんでもええで楽やな(畑に植えた花や野菜に水をやらなくてもいいので楽だな)」
先客の高齢者の女性が店主と笑いながら話していました。
店内には温かい時間が流れ、その空気は私の旅の記憶に深く刻まれました。
きっと雨が降らなければ、その店での時間を味わうことはなかったでしょう。
突然の雨が予測しない場所へ連れて行ってくれることがあるのです。
text:イシコ http://sekaisanpo.jp/
2017/06/02| TAGS: lifestyle
イシコ
コラム
トラベル
傘
喫茶店
旅
雨
きれいのニュース | beauty news tokyo