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ビールの本場チェコで楽しむ大人の工場見学

できたて無濾過ビールを味わう旅体験。本場“チェコ”で楽しみたい大人の工場見学

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季節柄もありますが、最近はクラフトビールがブームとあって、ビールにハマっている方も少なくないのでは? そんな方にオススメしたいのが、“ピルスナービール発祥の地”として知られるチェコならではのビール工場の見学です。

 

ちなみにピルスナービールは世界で最も市販されているビールの種類で、実際に日本の大手メーカーが製造しているビールは、チェコが発祥とされるピルスナービールに分類されます。

 

 

 

|ビール醸造の歴史と伝統を本場で体感

 

チェコには小規模のブルワリーを含めると400を超えるビール工場があります。チェコの面積は日本の1/5程度なので、その数は特筆すべきものと言えます。

 

今回はその中からチェスキー・クルムロフの程近く、チェスケー・ブディェヨヴィツェという街にあるチェコ国内で第2位※のシェアを誇る「Budějovický Budvar(ブドヴァル)」の醸造所の見学に出かけてきました。

※チェコ国内シェア1位はプルゼニュに醸造所を構える「PILSNER URQUELL(ピルスナー・ウルケル)」

 


【Budějovický Budvarはチェコ国営の企業。アメリカのバドワイザーはチェコの本家を真似て作られたそうです】

 


【とても蒸し暑い工場の中。ここで1日中仕事をする工場の方にはただただ感心するばかり】

 

 

工場見学ではビールを作る過程を実際の工場内を見ながら説明してもらえる他、チェコがピルスナービール発祥の地と言われる所以やホップやモルトの種類の違い、ビールの種類についてなどを丁寧に教えてもらえます。

 


【現在は金属製のタンクを使用していますが、昔は木製のタンクを使用していたのだとか】

 


【ブドヴァルで使用しているホップやモルト。これらの組み合わせで味がどんどん広がるとのこと】

 

一般的にチェコのビール製造に使われるホップはペレット状になっているものが多いですが、ブドヴァルはホップをそのまま乾燥させたものを使っています。それが“味へのこだわり”なのだそうです。

 

 

 

|チェコの子供たちにとって「ビール醸造家は憧れの職業の1つ」

 

そしてお待ちかね、できたて(無濾過状態)のビールの試飲です。市場に出る際は濾過してからボトリングされるため、無濾過状態のビールを飲めるのは工場見学をした人のみの特権。工場内を案内してくれた醸造家のAleš Dvořákさん(アレシュ・ドヴォジャークさん、以下アレシュさん)がタンクから1杯1杯丁寧にグラスに注いでくれました。

 


【アレシュさん曰く「ビールの醸造家はチェコの子供たちの憧れる職業の1つ」なのだとか】

 


【製品になる前、無濾過状態のできたてビールを味わう贅沢!】

 

ちなみにアレシュさんは大学卒業以来ブドヴァル一筋。ブドヴァルの黒ビールやセカンドブランド「Pardál(パルダール)」のレシピ開発者という“ビール専門家中の専門家”です。レシピは1人の醸造家が主導で開発され、できあがったビールを工場内のスタッフの試飲で評価。問題なければそのまま商品化されるそうです。

 

 

ブドヴァルの工場には、そんな醸造家のこだわりの詰まったブドヴァルのビールを全て味わえる直営レストランが併設されています。

 

 


【もちろんブドヴァルの全種類が生ビールで提供されています】

 


【コースターも可愛いデザイン。思わず持ち帰りたくなりますね】

 

工場見学では1杯しか試飲できないので、「飲み足りない!」という方はぜひレストランにも立ち寄って、ビールに合うチェコ料理とともに本場のビールを思う存分味わってくださいね。

 

 

Budějovický Budvar http://www.budejovickybudvar.cz/en/

 

 

 

|チェコ人にとってビールは絶対に欠かせない飲み物

 

「もしチェコでビールの価格を引き上げたら政府は倒れる」とも言われているくらいチェコ人にとってビールは絶対に生活の中から欠かせない飲み物。今回見学したブドヴァルのような大手メーカーのビールだけでなく、オリジナルのビールを醸造して提供しているホテルやレストランも数多く存在します。チェコ人の食卓は「ビールが中心に回っている」とも言えるのです。

 

ミクロフのホテル「ホテル・ガラント」のレストラン内のビール醸造設備】

 

クロムニェジーシュのレストラン「Cerny Orel」のビール醸造設備】

 

オロモウツのレストラン「Podkova」のビール醸造設備】

 

オロモウツで5月に開催された「ガーデン フード フェスティバル」に登場したちょっと変わった移動式バー。ビールが1杯提供され、椅子に付いたペダルを漕いで会場の公園内をグルっと周回します】

 

フルボカー城の麓にある小さなブルワリー】

 

 

そして、プラハのレストラン「Lakat」ではビールを3種類の飲み方で提供していました。

 

【左はいわゆる普通(泡と液体が3:7くらい)のビールの注ぎ方。右は泡だけという注ぎ方。メニュー(英語)には“beer foam”と記載されています。他にもビールの液体部分だけの“slice”という注ぎ方もあります】

 

この「Lakat」の場合、普通の注ぎ方のものも“beer foam”も“slice”もすべて同じ値段。日本人の私たちからは“beer foam”も“slice”も「注ぐのに失敗したんだ」と思うところですが、チェコ人にとっては泡だけにも、液体部分だけにも同じ価値ということですね! 数え切れないほどの種類のビールから、自分に最も合ったビールと飲み方を選んで飲むチェコ人は、まさに1人ひとりが“ビール専門家”と言っても過言ではない気がします。

 

 

 

絶景や素敵な街並みや建築物をチェコを満喫するのももちろんですが、ビールが生活と文化に根付いたチェコならではの“大人の”工場見学は特にオススメ。自他共に認める「ビール好き」なら、ぜひ出かけてみてくださいね。

 

 

《参考情報》

チェコ国内で最も良く使用されている乗換検索サイトが「IDOS.cz」になります。チェコ国内での公共交通機関を利用した移動の際はぜひ利用してみてください。

 

 

取材協力:チェコ政府観光局(CzechTourism) www.czechtourism.com


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