お出汁や薬味など使い方も様々で、日本の食卓に欠かせない食材の1つ「かつお節」。そんな「かつお節」の原料となる鰹の国内水揚げ量の7割を占めているのが鹿児島県指宿市の山川港です。山川港周辺には昔ながらの製法でより良い「かつお節」の生産を追求し続けているかつお節製造工場が26社(平成30年現在)も立ち並び、かつお節の燻される香りが辺りに漂っています。
そこでかつお節の仕込み量トップクラスの株式会社カネニニシの工場見学とともに代表取締役・西雄生さん(以下西さん)に伝統製法で作られるかつお節の魅力についてお話をうかがいました。
▲西さんの祖母が昭和初期よりかつお節作りを始めたそうで、三代目としてその製法を引き継ぐ西さんは「良いものを安く提供して本来のかつお節の味を知ってもらいたい」と語ります
|かつお節の製造工程
通常、半年から1年ほどの歳月をかけて作られるというかつお節はどのような工程を経て作られいるのかご存知でしょうか? その製造工程は、
かつおの解凍→生処理→裁断→加熱→手作業による骨抜き→焙焼(火入れ)&燻製※→成型→カビ付け→発酵→かつお節(本枯節) ※…荒節(花かつお)の工程はここまで
となります。西さんによれば、中でも最も神経を使うのが「焙焼(火入れ)」の工程とのこと。その日の湿気や気候、薪の種類などによって焙焼(火入れ)の調整が必要となるためです。そのため、日々現場に立ち会い、勘と技に磨きをかけていると言います。
▲焙焼・燻製工程
こうして燻され焙焼されたかつお節は「荒節(花かつお)」になります。
|「花かつお」を10ヶ月以上熟成して生まれる「黄金のかつお節」
そんな「荒節(花かつお)」をさらに10か月以上熟成(カビ付け)することで生まれるのが高級本枯れ節「黄金のかつお節」。
じっくりと発酵熟成させることで脂肪分が旨味成分へと変化し、かつお節は黄金色に色付きます。深い旨味や香り、ほのかな甘みのある味わいが特徴で、第38回農林水産祭で農林大臣賞を受賞しています。
▲「努力こそ人生」と言う西さんの理念と長年培った努力そのものが、かつお節を“黄金色”へと輝かせているようです
このように発酵食品でもあるかつお節は、細胞活性の源となるイノシン酸が多く含まれるためエイジングケア効果を期待できますし、ミネラルバランスが良いため代謝UP効果も期待できます。さらには脳の働きを良くするDHAや、疲労回復や美肌効果、生活習慣病予防にも効果を期待できる必須アミノ酸も豊富に含むなど栄養面で多くの効能があります。
「自然を尊重する日本人の心を表現した食文化であり、世代を超えて受け継がれている民族の伝統的な食習慣である」と評価され、2013年に“食の無形文化遺産”に認定されて以来、世界中で注目されるようになった「和食」。和食には「“天然のうまみ”を欠かすことでできない」と言っても過言ではありません。
今回の取材を通して健康維持に必要な効果を伝統的な製法や調理法がもたらしてくれることが十分に理解できました。顆粒だしが一般的になった昨今だからこそ一度振り返って、昔ながらの食文化から得られる恩恵を見つめ直してみたいものです。<text:Chihateria 問:株式会社カネニニシ http://www.kaneni24.com>
2018/08/30| TAGS: Chihateria
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