「ジャコウネコの糞です」
通訳の言葉を聞いた時の彼女の表情が忘れられません。
バリ島はウブドのカフェで、大好きなコーヒー「マンデリン」をすすっていた時のことです。
そこへシャネルの鞄を持ち、指に宝石をたくさんつけた富裕層らしき中国人女性が現れました。
通訳らしき男性とメニューを見ながら、「コピ・ルアック」を注文。
熟したコーヒーチェリーをジャコウネコが餌として食べ、
実の部分だけ消化されて豆が排泄され、それを集めて洗浄したものが原料になります。
ジャコウネコの腸内細菌や消化酵素によって豆に独特で複雑な香りが加わるのです。
どうやら彼女も通訳も注文するまでは、そのことを知らなかったらしい。
この店で一番高いコーヒーを頼んだにすぎなかったのでしょう。
最初の一口をすする時までは彼女も幸せそうな顔をしていたのですが、
店員にコーヒーの特徴を聞いてから一切、口にしようとしませんでした。
ジャコウネコの分泌物から採れた香料でシャネルなどの香水ができるんですけどね。
そもそも、水にしろ、野菜にしろ、魚や肉にしろ、多い少ないはともかく、
人間をはじめとした動物の排せつ物が循環して私たちの口に運ばれるんですけどね。<text:イシコ http://sekaisanpo.jp/>
2019/04/20| TAGS: lifestyle
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