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オリンピックに向けて考える新しい食文化

グルテンフリーもハラールも。東京オリンピックに向けて考える【グローバル化する新しい食文化】

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東京オリンピック開催まであと1年あまり。ウェルカムモードに色づく東京では、交通機関や宿泊施設、そしてショップなどがグローバル化してきていますが、食についてもグローバル化を求められ始めています。

 

そんな中、海外では当たり前でも日本では深く知られていないヴィーガンやグルテンフリー、ハラール料理の必要性を考えさせられる「オリンピアンが考える2020年のおもてなしフェア」が、農家直営のビュッフェダイニング「グランイート銀座」にて開催されました(現在終了)。このフェアのディレクターを務めたのは、北京・ロンドンオリンピック・バドミントン日本代表として活躍された池田信太郎さん。

 

▲「オリンピアンが考える2020年のおもてなしフェア」ディレクター・池田信太郎さん(東京2020組織委員会・アスリート委員/東京 2020 組織委員会・飲食戦略検討委員、以下池田さん)

 

それでは北京とロンドンのオリンピックに日本代表として参加した経験を持つ池田さんが提案する「東京も今後もっと多様化する異文化の中で対応していきたい新しい食文化」についてチェックしてみましょう。

 

 

 

|世界中から集まる多種多様な文化や食習慣を持つ方をもてなす料理とは?

 

「東京2020大会における飲食提供の基本戦略」に定められている“菜食主義、宗教(ハラールなど)などを考慮した料理”とは、「ベジタリアン、ヴィーガン、グルテンフリー、アレルギーのお持ちの方、アスリート、多様な宗教、その他食事制限の必要な方すべてが同じテーブルを囲み、美食を楽しめるのが理想形」と池田さん。このイベントではケアリングフード創案者でエピキュール・オーナーシェフの藤春幸治さんをレシピ監修に迎え、ヴィーガン、グルテンフリー、そしてハラル料理と様々なメニューが提供されました。

 

 

中でも驚かされたのはグルテンフリーのパンや麺の美味しさ。グルテンフリーの食生活は小麦アレルギーの方だけのものではなく、むくみの解消に繋がったり、仕事のパフォーマンス向上につながったりといった効果も期待できるなど体調の変化を感じることができます。また、ヨーロッパを中心に広まるヴィーガン志向は地球温暖化への防止や食糧難への対策などにも繋がっているそうで、ダイエット目的の域を超えた“思想や生き方に近いもの”といった印象です。

 

そして、まだまだ日本では馴染みのないハラール料理(イスラム教の戒律によって食べることが許された料理)も充実。

 

 

▲アルコールと豚肉が禁止されているハラール料理の調理場は「H」というシールが掲出されています

 

その他にも、過去のオリンピック大会で提供された“菜食主義、宗教(ハラールなど)などを考慮した料理”も再現されて提供されるなど、食は生き方に直結するものであり、食の多様性に対応することが【グローバル化する新しい食文化】の基礎となることを改めて認識させられます。

 

▲過去のオリンピックで提供された再現料理たち

 

すでに「オリンピアンが考える2020年のおもてなしフェア」は終了していますが、会場となった「グランイート銀座」では国際的なスポーツ大会の食材調達基準となっている“GAP(Good Agricultural Practice)認証食材”をふんだんに使用したさまざまなメニューがブッフェ形式で提供されています。ぜひオリンピックを間近に控えた今こそ足を運んで、100項目以上もの厳しい審査基準のあるこの認証を取得した旬の食材を味わいつつ、グローバル化する新しい食文化に触れてみてくださいね。<text:下重佳奈子 Kanako Shimoshige photo:大黒屋Ryan尚保 


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