奈良県桜井市のホテルにチェックインし、
大浴場の湯船で念入りにストレッチし、
部屋の窓から夕暮れの多武峰(とうのみね)を眺めながらビールをすすり、つぶやきます。
「もう行くのを止めようかなぁ……」と。
時計を見ると17時をまわったところ。
多武峰にある談山神社行きのバスは確か17時25分。
世界唯一の木造十三重の塔があることで知られる神社で、
駅前で紅葉の時期だけライトアップされている告知と写真を見かけたのです。
「今日、行かなかったら、一生見られないかもしれないよ」
心の声が聞こえます。
浴衣から再びジーンズに履き替え、出掛けることに。
バスで揺られること約20分。
真っ暗なバス停で降ろされ、空には星が一面に広がっていました。
そこから徒歩で約5分。
ライトアップされた紅葉と階段が目に入ります。
木造十三重の塔も本殿も美しく、本殿の中に展示されている神饌、
つまり神への供物の飾り方に感銘を受けました。
ホテルに戻り、再度、大浴場へ向かい、部屋で飲み直して、つぶやきます。
「行ってよかったなぁ」と。
疲れていると心の声を聞くことを忘れてしまうことがあるんですよね。
と言っても、本当に疲れている時の心の声も聞き逃さないように。
これは仕事でも同じです。<text:イシコ http://sekaisanpo.jp/>
2020/12/05| TAGS: lifestyle
イシコ
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