奈良屋は草津温泉で唯一「湯守」のいる宿として知られます。温泉は草津主要6源泉のひとつ「白旗(しらはた)源泉」で、湯畑広場の一画に湧いた湯を引き込み、小屋で一旦寝かせて温度を下げ、湯の花を取り除いて湯船へと注ぎます。
▲奈良屋には2つの大浴場「将軍御汲上の湯」と「花の湯」があるほか、貸切風呂が用意され、お湯の管理や清掃を湯守が任されています
▲湯守が湯船のお湯を揉み、さらに温度を下げると同時に湯触りの柔らかいお湯を作ります
湯守は天候や外気温などを考慮しながら42℃の適温となるよう、湯船に注ぐ湯量の加減で温度を調整しています。
▲大浴場「将軍御汲上の湯」
脱衣場からは階段を下りた場所にある大浴場「将軍御汲上の湯」。ポンプのなかった時代に温泉を高低差で引き入れるため、湯船が低い位置に作られています。天井の高い木造の湯殿も風情溢れる造り。温泉好きなら必ずや入っておきたいお風呂です。
▲将軍御汲上の湯の半露天風呂
▲大浴場「花の湯」は、将軍御汲上の湯との入れ替わりで、午後は女湯、翌朝は男湯になります
▲140年を超える湯船「不老長寿の湯」
花の湯の奥にすえられた1人用の湯船は、140年以上前に樹齢200年の赤松をくり抜いた骨董品。身を沈めると、豪快に溢れる温泉もさることながら、奈良屋では「不老長寿の湯」として伝わります。これほど古い木造の湯船は珍しく、隠れた名物風呂のひとつです。
▲花の湯の露天風呂には数人が入れる湯船と1人用の壷湯(写真右)を用意
▲大浴場の入口にある湯上り処
▲白旗源泉を引いた貸切風呂は「檜」と「信楽」、「家族風呂」の3タイプ。宿泊者は45分¥2,700で利用できます
▲貸切風呂には、ゆったりしたお座敷もついています
▲大浴場の入り口に置かれた看板。年季の入った様子に、宿の歴史がうかがえます
白旗源泉はpH2.07の強酸性。湯もみショーや温泉落語がおこなわれる「熱の湯」の隣りに、同じ源泉を引く無料の共同浴場「白旗の湯」があります。あつ湯で有名ですが、奈良屋のお湯と入りくらべるのも一興です。
|2020年末にリニューアルしたデザイナーズルーム
2021/08/29| TAGS: lifestyle
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