修学旅行などで訪れることも多い「蓮華王院 三十三間堂」は、横に長い本堂に1001体ものご本尊「十一面千手千眼観世音」がまつられています。
▲「蓮華王院 三十三間堂」は後白河法皇の住まいの一部として建てられたもので、一度火災にあって建て替えられているそう。建てられた当時の仏様も一部残っていますが、ほとんどが鎌倉時代に作り直されたものとのことです(堂内は撮影禁止)
中央に安置される3メートルほどの坐像「中尊」(国宝 千手観音坐像)を中心に、左右に500体ずつ計1000体の観音立像(国宝 千体千手観音立像)が前後10列の階段状の壇上に等身大の立像が整然と並んでいる様子は圧巻! 1体1体が手作りで、中尊は大仏師・湛慶によるものです。
三木さんによると、「当時はたくさん作れば作るほど、仏様のご加護が受けられるという考えがあったと言い伝えられています」とのこと。また、「千手観音が手に持つものは1つ1つ違い、それぞれの手で悩みごとを解決したり、願いを叶えたりしてくれる」(例:薬のツボを持っている手で病気を治す)といわれています。
そして、堂内を進み裏側へ回ると資料の展示室。中でも必見がお堂の外の渡り廊下で「通し矢」という競技についての資料です。120m離れた廊下の端に的を置き、そこを目がけて座ったまま矢を射るというもので、天井ギリギリに矢を通さないと的まで届かなかったようで、打ち損じた矢がたくさん天井に刺さっている様子や、通し矢の種目の1つで午後6時から翌日の同時刻まで24時間、1人で矢を打ち続けて何本的に当たるかという過酷な競技についての記録(13,053本のうち8,133本の矢が的に当たった)が展示されています。
そんな圧巻の「三十三間堂」を出ると、次は「京都タワー」を横目に「伏見稲荷大社」へと向かいます。
▲「京都タワーの高さは131m。建設当時(1965年)の京都市の人口が131万人だったため同じ高さにしたそうです」と三木さん。
建設当時は「京都の街に似つかわしくない」という反対の声が強かったようですが、今では京都のシンボルの1つとして定着。上の部分が展望台になっていて街を見渡せます。タワーの形はロウソクのように見えますが、実は「海にある灯台のイメージで、京都の瓦屋根を波に見立てているんですよ」と三木さんが教えてくれました。
|人気の映えスポット「伏見稲荷大社」へ
日本人にとって、最も身近な神社といえば「お稲荷さん」。稲荷神社は全国に3万社あるともいわれ、日本全土で老若男女を問わず親しまれていますが、その総本宮が「伏見稲荷大社」です。たくさん立ち並ぶ朱色の「千本鳥居」が有名で、SNSの影響で訪れる人が増えたと言われています。ちなみに三木さんによると「特に海外からの観光客に大人気の観光スポット」なのだそうです。
▲「伏見稲荷大社」の入口には、稲荷大神様のお使いのキツネの姿が
写真映えするとして人気の「千本鳥居」は、願い事が「通る」或いは「通った」御礼の意味から、鳥居を感謝のしるしとして奉納することが江戸時代以降に広がった結果なのだそうです。
▲赤と黒のコントラストが目にも鮮やかな「千本鳥居」
現在は約1万基の鳥居がお山の参道全体に立っているそうです。
▲「上まで行くと1時間半から2時間ぐらいかかるので、この案内図の辺りから引き返すという方が多いですね」と三木さん。鳥居を建てられるスペースはまだまだあるそうで、これからもどんどん増え続けるのでしょう
先ほど訪れた「三十三間堂」と同じように「伏見稲荷大社」は修学旅行の定番観光地のためかとても賑わっている印象ですが、「24時間いつでも出入りできるので、早朝や夜など訪問車の少ない静かな状態で見ると、また違った印象になると思います」と三木さん。ただし、「ライトアップなどはされていないので、夜は真っ暗でとても怖いらしいです」とのことなので、興味のある方は夜に訪れてみるのもアリかも知れません。
|三木さんおすすめ「京菓匠 笹屋伊織」の本店でひと休み
2021/11/14| TAGS: lifestyle
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