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北陸の伝統文化を満喫。星野リゾートの宿【界 加賀】のアクティビティで旅を一層豊かに

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各地の「界」では伝統工芸品などの工房をたずね、職人や作家の技術を間近で見たり体験できる「手業のひととき」を用意します。「界 加賀」では季節ごとに4施設でおこなわれ、9月から11月までは「山中漆器の木地師(きじし)があつらえた無垢の酒器で日本酒を味わう体験(有料)」を用意します。

 

▲おがくずが積もり、自ら作った専用工具がずらりと並ぶ木地師の作業場を見学

 

漆製品の製造販売をおこなう塗師の西本浩一氏とともに「工房なかじま」で、ろくろで木を削って器に仕立てる職人の技を見学。夕食時にその器で乾杯ができる、ここだけのスペシャルな体験です。

 

▲山中漆器は、輪切りにした国産の原木を使用。写真は60~70年ものの欅です

 

山中地区の器は、輪切りにした木から縦方向に器の形を取る「縦木取り(たてぎどり)」で、横木取りとくらべると反りづらく、木目を活かした自然な風合いを出すのが特徴です。

 

▲素材になる木材は、大まかに粗挽きにして乾燥させます

 

木材は天然乾燥と人工乾燥を行い、ちょうどいい水分量になるよう木を整えてから器を作ります。写真は天然乾燥させるため、工房に高く積み上げられた木材です。

 

▲道具は全て特殊なもので、職人自ら素材から鍛造して作ります

 

▲粗挽きした器は、ろくろを使って削ります

 

工房で使われるろくろは、足元の操作でスピードや回転方向を変えられるので、座る場所を移動せずに作業ができて効率が上がる、世界でもここだけの機械。海外からも見学者が来るそうです。

 

▲山中漆器の特徴でもある「加飾挽き」で、模様を入れた器

 

ろくろを回転させながら、刃物を振動させて模様を彫り込む「加飾挽き」。削る器や装飾するデザインによって道具も変えます。わたしたちが普段何気なく使っている部分に光る職人技です。

 

▲厚さ0.8mmほどの“うすはり”に削る器もあります。内側から光を当てると、透けて見えるほどの薄さです(写真の器は1.0mm)

 

▲漆を塗って仕上げると、木目が現れ風合いが高まります。この飴色が漆本来の色です

 

山中塗の魅力は、「拭漆(ふきうるし)」で仕上げる上品な光沢と木目の美しさです。木目が浮かび上がるように漆を塗っては拭く工程を、何度も繰り返します。

 

▲技術を広めるため海外にも招かれる木地師の中嶋武仁さん(写真左)と、漆器を世に広める活動をする塗師の西本浩一さん

 

漆の木から漆が採れるようになるまで10年ほど。木の幹に傷をつけ、にじみ出る漆液は1本の木からわずか200ml程度です。漆を採取すると木は枯れるので、再び植林してまた採取するのは10年後。そう教えていただいた西本さんの言葉には、木への感謝が現れていました。

 

▲作ってもらった酒器は夕食時に食卓に用意

 

普段は使うことのない無垢のままお酒をいただけるのも特別な体験です。今回は水目(みずめ)の木を使い、お酒が滲み出ないよう枡が用意されました。もちろん漆を塗って仕上げると、そうした心配はなくなります。

 

▲今回は「加飾挽き」で細かな筋模様を入れていただきました。仕上がりが美しすぎて感激です

 

このあと「拭漆」をおこなうため、木の肌がキレイであることも必須。サンドペーパーで表面が整えられ、こんなにツルツルに。

 

▲このプランには乾杯用に1625年から続く金沢福光屋の「加賀鳶」が用意されます

 

セミオーダーされた器でいただくお酒はまた格別。このあと漆が塗られるため、お酒を木の香りとともに楽しめるのはこの夜だけの体験です。

 

▲お酒越しに現れた木目がキレイ。日本酒好きには堪らない瞬間です

 

▲後日、漆で仕上げた完成品のお猪口が自宅に届きました。左が赤漆、右が漆そのものの色で、木目が鮮やに浮き上がります。まさに一生ものの器です。

 

工房を訪ねて以来、金沢の土産物店や地元の百貨店の食器売り場で山中塗の漆器に気づくようになり、木の器や漆器をより豊かに感じられるようになりました。

 

 

星野リゾートの温泉旅館【界 加賀】では、ここで紹介したほかにも、毎晩開催される「加賀獅子舞」や温泉アクティビティ「うるはし現代湯治」、朝食前の「加賀おはよさーん体操」など、有料無料のアクティビティを多数用意。ぜひとも全部体験してみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:界 加賀 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaikaga/


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