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日本に12城だけの現存天守【松山城】は3倍楽しめる「無料ガイドツアー」がイチ押し

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高い石垣や櫓だけがお城の見どころではありません。ちょっとしたところにも、隠れた工夫が見られます。ここでは松山城のプチな見どころを紹介します。

 

▲年を経ると幹が黒くなる紫竹。黒竹とも呼ばれる竹藪に隠れ、偵察や待ち伏せをおこないます

 

▲重要文化財「紫竹門東塀」。正方形の鉄砲狭間と縦長の矢狭間が見られます

 

紫竹門東塀は(有料区画内)、土壁を少し離して二重に造り、中に石や割れた瓦などを埋め込んで、鉄砲で撃たれても壊れにくい「太鼓塀」と呼ばれる構造です。さらに土台は台木になっていて、攻め込まれて武器が尽きた時、塀を押し倒して敵兵を下敷きにする、いわば最終塀器です。

 

▲二ノ門(有料区画内)にあるハートマークのある釘隠し

 

日本古来のハートマークは、猪目(いのめ)という火除けや厄除けのおまじない。刀のつばやお寺の金具、木彫などに施されることがあり、京都正寿院の猪目窓はことに有名です。

 

 

 

|現存する12天守のひとつに登る

 

松山城の天守は1784年に落雷で焼失し、黒船来航の翌1854年に再建落成された日本で最も新しい天守です。8.3mの石垣の上に、天守と小天守、南隅櫓、北隅櫓を、渡櫓(廊下)でつないだ「連立式天守」です。これら建物群の基礎となる石垣を、松山城では「本壇」と呼びます。

 

▲松山城の撮影は、本丸広場がベストポジション

 

1945年7月の松山空襲では、当時の監守長が1人で松山城の消火活動をしたとの逸話が残ります。

 

▲本壇に近づくと威圧感抜群。天守の手前左から、南隅櫓、小天守、一ノ門南櫓がそそり立ちます

 

本壇および天守に入るには、手前にある券売所で入場料520円を支払います

 

▲天守へ向かう最初の難所

 

本丸広場から天守へ向かう最初の難所がここ。その堂々たる造りは、松山城随一のフォトスポットです。突き当りを右に進むと、天守へ向かう一ノ門がありますが、今見えるこの場所こそ正面の天守、左手の小天守、右側の一ノ門南櫓の3方から狙われるデンジャラスゾーンです(泣)。

 

 

▲小天守から見た一ノ門の枡形は、四方から狙える区画です

 

本壇に侵入した敵が先に進むと「桝形」という狭い空間が待ち受けます。上の写真は小天守から見下ろした桝形。四方から攻撃できるうえ、手前の「一ノ門」は屋根が小さく敵兵に隠れる場所を与えません。

 

▲天守と小天守、南隅櫓、北隅櫓に囲まれた「本壇中庭」

 

一ノ門、二ノ門、三ノ門、筋鉄門を経て命からがらたどり着くのが、天守の入口がある「本壇中庭(天守広場)」。唐破風屋根を頂いた箇所が本来の玄関です(通常は利用できません)。

 

▲天守が立つ石垣の中(地下1階)に見学者の入口と下駄箱があります

 

天守の基礎になる石垣の中は籠城に必要な米蔵で、安山岩をノミで削って隙間なく積んだ「切込接(きりこみはぎ)」という石垣技術で作られました。柱には湿気や防虫に強い楠木が使われ、床は素焼きの瓦が敷かれます。

 

▲天守内の一画には、当時の武具や書状、道具類などを展示します

 

加藤嘉明が使ったと言われる甲冑。戦場で自分の働きがひと目で判るよう、背中に旗竿を立てる筒がついています

 

▲刀や槍、長刀などの武具も展示。愛媛の刀鍛冶で人間国宝の高橋貞次が作った刀です

 

▲平成16年から18年の大改修の際に見つかった落書き

 

落書きは、江戸時代末期に天守を再建した時の作事奉行(今でいう現場監督)ではないかと言われまます。吊りあがった目とへの字の口元からすると、職人が頑固な作事奉行を面白がって描き、後世の人に伝えようとしたイタズラ書きだったのでしょう。おかげで松山城の有名人になりました。

 

▲天守内の階段はどこも急勾配

 

▲下の敵に石を落とす「石落とし」。上には鉄砲狭間がついています

 

▲城攻めを再現した迫力のVR映像

 

アメリカ軍の空襲以外、松山城が戦火にまみえることはありませんが、映像では本壇中庭に侵入した攻め手の兵が、周囲の櫓から攻撃される模様が実写とCGで描かれます。いかに松山城の攻略が困難かを思い知らされる内容です。

 

▲天守の最上階である3階は、シンプルな造り

 

▲天守3階からは松山平野を一望。西側からは、手前に北隅櫓の屋根、遠くに瀬戸内海を望めます。これぞまさに殿様気分(あっ晴れ!)。

 

 

<松山観光ボランティアガイドの会> https://matsuyama-guide.jp/apply_peasonal_matsuyamajou/

午前9~12時、午後13~16時

 

 

ボランティアガイドさんのおかげで、1人で巡るより何倍も楽しめる【松山城】。威圧感たっぷりの石垣と櫓、数々の仕掛けや巧妙な造りに、城攻めが究極的に命がけだったことを思い知らされます。難攻不落の松山城を訪ね、その臨場感を実感してみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 問:松山城総合事務所 https://www.matsuyamajo.jp/


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