佐渡島で最も有名なのは「金山」でしょう。1601年に開山され、400年近く実際に金や銀が採掘されてきた佐渡島。すでに資源が枯渇してしまってはいますが、かつては日本最大の金山として、大いに賑わっていました。最盛期の島の人口は現在の倍以上もあったほど。関連施設も多く残されており、現在も多くの人が観光に訪れています。
その中でも、最も人気のあるスポットが「北沢浮遊選鉱場跡(きたざわふゆうせんこうばあと)」です。見応えのある廃墟ということもあり、佐渡島に行ったことがなくとも、写真でこの場所を見たことがあるという方もいらっしゃると思います。ただ、この場所がどういった施設で、なぜこのような廃墟になっているのかを知っている方はかなり少ないでしょう。
この場所は、山で採れた金や銀を浮遊選鉱(ふゆうせんこう)という方法で選り分けるために造られた施設。もともと銅の製造過程で使われていた技術を金銀に応用したことで、「東洋一の浮遊選鉱場」と呼ばれるようになったとされています。昭和初期に造られましたが、実際に稼働したのは15年ほど。鉱山の縮小に伴って施設も廃止されることになりました。
そこから70年が経った現在では壁などがほとんどなくスカスカの状態で、緑が茂りかなり年季の入った廃墟として多くの観光客が見に来るほどのスポットに。とはいっても、実はこの場所は単純に年月の経過によって壊れた建物というわけではありません。操業が停止となった後に、中で使われていた大きな機械を取り出す際、屋根や壁を壊す必要があったため、その時に崩された部分も多くあるそう。さすがに崩落の危険があるため、中に入ることはできませんが、かなり近くまで寄ることはできるので、そんな歴史を感じながら見学してみることをオススメします。
さらに、浮遊選鉱場跡のすぐ近くには「シックナー」という円形の変わった建物も残されています。この建物は水と不純物を分離する装置で、かつてはいくつか建てられていたそうですが、残っているのはこの1つだけ。こちらも下に入ることはできませんが、珍しい建造物なのでぜひ近くで見てみてくださいね。
また、他の場所に行く前に要チェックなのは、売店にある「金箔ソフトクリーム」です。すでに閉山している金山ではあるものの、島内では金に関連したグッズが多く販売されています。日本一の金山のすぐそばで金箔ソフトクリームを食べる、そんな貴重な経験も浮遊選鉱場跡とセットで楽しみましょう。
|海産物の豊富さは、日本海の離島ならでは
2022/03/01| TAGS: lifestyle
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