竹久夢二の作品は「静水の間」と「星光の間」の2部屋に展示。東京東日本橋にある竹久夢二の専門ギャラリー「港屋」の協力により、肉筆やリトグラフ、書籍の挿絵など、夢二の創作が立体的にわかる内容になっています。
▲静水の間「竹久夢二1」
こちらの部屋は複数の画家が手がけ、絵の入れ替えもおこなっていますが、現在は橋本静水の絵が多いことから「静水の間」と呼ばれます。
▲「静水の間」の床の間に飾られるのは、夢二のもっとも有名な美人画「黒船屋」。陶猫作家の小澤康磨が制作した“夢二の黒猫”とともに展示します
▲星光の間
板倉星光がひと部屋全てを任された「星光の間」。美人画で知られる星光ですが、襖や欄間、天井に、草花や果物を描き、宴会に訪れた人々の目を楽しませる趣向です。夢二も美人画が有名ですが、童画も多く描いていて、子供への優しいまなざしが感じられる作品を見られます。
▲夢二が描いた楽譜の挿絵
大正4年(1915年)に設立したセノオ音楽出版社から販売された「セノオ楽譜」とよばれる楽譜に、夢二が挿絵を描いています。絵を見て曲を想像できる、夢二の才を感じます。
|部屋の装飾と展示品との組み合わせを楽しむ趣向
各部屋の障子にほどこされた複雑で巧みな組子細工や、緑豊かな窓からの風景。それぞれの部屋と展示物との組み合わせも見どころのひとつです。
▲「清方の間」は明治・大正・昭和のガラスがテーマ
近代美人画の巨匠とうたわれる鏑木清方(かぶらききよかた)の、草花や美人画が描かれた部屋。著作権があるためここでは紹介できませんが、ぜひ見ておきたい絵が飾られます。廣田硝子や旭屋硝子店、石塚硝子などのガラス食器やアクセサリーを展示します。
▲HIROTA Lampwork Factoryのガラスアクセサリー
ガラス職人による手作りの作品も展示。その繊細ではかなげな作りは、部屋の障子のこまやかな組子細工とよく合います。展示中のガラス製品の一部は、館内のショップで買うこともできます。
▲「清方の間」の障子に見られる、複雑にして繊細な組子細工の美しさ
館内の組子細工は今では失われてしまった技術も使われ、修復に訪れる建具職人の学びの場となっているのだとか。「清方の間」に限らず、各部屋の障子を見てまわるのも楽しみ方のひとつです。
▲「旧目黒雅叙園レトロアーカイブ」が飾られる「頂上の間」
百段階段の最上階にある「頂上の間」。活き活きとした動物画を得意とする西村五雲が欄間の絵を描く予定でしたが、昭和13年(1938年)に亡くなったため、松岡映丘門下の天井画が描かれたほかは、2009年まで倉庫として使われていました。
▲レトロカワイイ製品とともに撮影を楽しめます
「頂上の間」には、1931年の目黒雅叙園開業当時の資料を展示。館内の様子を描いた昭和初期の絵葉書や観光パンフレット、装飾金具などが飾られ、当時の様子をうかがえます。
▲レトロなフォトスポットは「クリームソーダ」
食品サンプルのクリームソーダや、百段階段の装飾に使われたカーテンなどが飾られ、フォトスポットになっています。
▲ショップでは、今回の企画展に展示されているガラスのアクセサリーやガラス食器、レトロなグッズを販売します
▲大正ロマンの世界にひたるオプションプランも用意 <画像提供:ホテル雅叙園東京>
「大正ロマン×百段階段」の期間中、入場券とセットになった「レトロ 着物プラン ~レストランと文化財見学~」を開催。大正ロマンをイメージした着物を着て、ランチやアフタヌーンティー、写真撮影などができるオプションプランです。
▲大都会東京のビル群と瓦屋根、レトロなランプの組み合わせを楽しめるのも百段階段の魅力です
【ホテル雅叙園東京】の企画展「大正ロマン×百段階段」。東海道新幹線を利用するツアー「ずらし旅」では、お得なオプションツアーにも採用。館内を彩る数々の絵や意匠、展示物など、そのひとつひとつを丁寧に見てまわると、日本が元気で夢見心地だった良き時代が見て取れます。大正ロマンの世界観をぜひ感じ取ってみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:ホテル雅叙園東京 https://www.hotelgajoen-tokyo.com/>
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2022/04/25| TAGS: 2022春
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