special reportスペシャルレポート

クリムトの名画「接吻」がテーマ。美と恍惚のひとときを味わう【メズム東京】アフタヌーンティー

Twitter
LINEで送る

 

グスタフ・クリムトやアルフォンス・ミュシャなど、アールヌーヴォーの画家たちを生み出したウイーン。アフタヌーンティーでは、オーストリアの当時の食文化を再現。左から順に食べるよう、甘さや塩加減を計算して作られます。クリムトとそのモデルたちが食べたに違いない、19世紀末から20世紀初頭の味を、名画と共にいただきましょう。

 

▲アート作品のように飾られるスイーツやセイボリーは、展覧会に出品された作品のように、題名の記されたプレートがついています

 

フルーツやハーブ、スパイスなどの素材を使うミクソロジストが、スイーツやセイボリーに合うよう、白ワインと赤ワインをイメージしたモクテルを考案。白ワイン風のモクテルは、マスカットジュースにレモンバームなどを加えたすっきりとした味。赤ワインをイメージしたモクテルは、自家製のチャイコーディアルシロップを加えたスパイシーな口当たりです。

 

▲スイーツとセイボリーに合わせる2種類のペアリングモクテル

 

日本では“クグロフ”の名前で知られるお菓子「グーゲルフプフ」。オーストリアの家庭には、必ず専用の型があると言われるほどの国民的なお菓子で、ウイーンに生まれ育ったマリー=アントワネットの大好物だったとも伝わります。ふんだんに使われたバターの風味に、チョコレートとオレンジがアクセントになっています。

 

▲まず初めはオーストリア伝統の味「グーゲルフプフ(クグロフ)」

 

お菓子作りに“モーン(黒ケシ)”を使うことが多いオーストリア。2番目にいただいた「モーン スフレ」は、ケシの実を混ぜたスフレです。ほわっと柔らかな生クリームと、プチプチとし香ばしいケシの実が楽しめます。

 

▲2番目の「モーン スフレ」はオーストリアで親しまれるケシの実のお菓子

 

甘いスイーツが続いた後の3番目は、塩味の効いた「スコーン」です。オーストリアの家庭ではつきもののジャガイモでスコーンを作り、塩味のチーズが加わります。ジャガイモの風味が後を引く美味しいセイボリーでした。

 

▲ジャガイモの「スコーン」

 

オーストリア風の揚げパン「クラップフェン」は、カーニバルが開かれる冬の定番スイーツ。表面をカリッと揚げ、ふんわりとした生地の中には、よくウイーンで飲まれている紅茶を意識して、ベルガモットをくわえたアールグレイ風のアプリコットジャムが詰まっています。ジャムの甘みが心を温めてくれる一品です。

 

▲オーストリアやドイツで食べられている揚げパン「クラップフェン」

 

「リンツァートルテ」はその名前から、オーストリアの都市リンツで1600年ごろに発祥したとされる世界最古のトルテ。シナモンが効いた生地は、表面を格子柄で覆ってイチゴやラズベリーのジャムを閉じ込めます。

 

▲「リンツァートルテ」

 

塩パンのルーツと言われる「ザルツシュタンゲン」も、オーストリア発祥の棒状のパン。ハムやソーセージなどと相性がよく、ビールと共に食べるのが定番です。もっちりとした食感のザルツシュタンゲンは、肉厚のベーコンやアスパラガスを挟んだオープンサンド仕立てです。

 

▲オープンサンドにした「ザルツシュタンゲン」は食べ応えあり

 

“世界で最も有名なチョコレートケーキ”と称される「ザッハトルテ」は、1832年に当時はまだウイーンの見習い料理人だった16歳のフランツ・ザッハーが考案。翌日にはウイーン中に知れ渡ったといわれる逸話が残るほど。チョコレート生地は砂糖でシャリシャリの食感に仕上げ、そこにチョコレートをコーティング。アクセントにアプリコットジャムをはさみます。

 

▲甘さを抑えて食べやすくした「ザッハトルテ」

 

ウィーンを代表する「アップルシュトゥルーデル」は、薄くのばした薄力粉の生地で、主にリンゴを何重にも巻いた焼菓子です。表面にたっぷりバターを塗った自家製生地を使い、シナモンを効かせた旬のリンゴやレーズン、クランベリーを包んだパリッと軽い食感です。

 

▲最後を飾る「アップルシュトゥルーデル」は、リンゴやシナモンの余韻が残ります

 

 

オーストリア帝国の質実剛健な雰囲気の焼き菓子やセイボリーと、旧い価値感に抗うように金箔を使い、二人の世界に没頭する男女の愛の表現。【メズム東京、オートグラフ コレクション】のアフタヌーンティーで、クリムトが試みた愛への賛美をぜひ味わってみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:メズム東京、オートグラフ コレクション https://www.mesm.jp/

 

アフタヌーン・エキシビジョン「キス(Kiss)」

期間:2023年3月31日(金)までの平日限定 ※1日20食 時間:14時~/14時30分~/15時~ 料金:¥5,600(税サ込) ※前日17時までに要予約


前のページへ

1 2

border