special reportスペシャルレポート

津軽の魅力をすべて体験。星野リゾートの温泉旅館【界 津軽】で青森満喫の欲張りステイ

Twitter
LINEで送る

青森県の津軽地方といえば、北国の厳しい環境を思い浮かべる人も多いはず。星野リゾート【界 津軽】は、津軽独特の文化にふれる温泉旅館です。江戸時代から続く伝統的な刺繍「津軽こぎん刺し」や、厳しい土地柄を旋律に乗せる津軽三味線の演奏など、“陸奥(みちのく)”の文化を満喫するひと時。2022年11月にできたばかりの「かまくら露天風呂」も注目です。

 

|館内にちりばめられた津軽の美

 

青森県の西半分を占める津軽地方。東の南部地方とは言葉も異なり、独特な文化と風土に彩られた土地柄です。最寄りの大鰐温泉駅へは、新幹線が停まる新青森から特急で40分ほど。駅から宿までは送迎バスが1日4往復しています(往路は要予約)。

 

▲玄関は雪を避けられるように、屋根の広いクルマ回しを備えます

 

▲玄関に入ると、奥に見える金色の山に導かれるようにして通路を進み、ロビーへと向かいます

 

▲広い窓から池が見える開放的なロビー。フリーのドリンクサービスも用意します

 

ロビーを飾るのは日本画の巨匠・加山又造の名作『春秋波濤』。原画を陶板に再現した大きな壁画は、逆巻く波やあでやかな山が津軽の冬に彩りを添えています。

 

▲ロビーや渡り廊、テラスから風景を楽しめる「津軽四季の水庭」。新緑や紅葉、そして冬は水墨画の世界が広がります

 

館内でよく目にする模様が、江戸時代中ごろに誕生した刺し子“津軽こぎん刺し”です。当時農民たちは倹約を名目に麻の着物しか着用を許されず、目の粗い生地が防寒に劣るため、刺繍をして布目を埋め、保温性を高めるようになりました。そこへ装飾性を加えたのが津軽こぎん刺しのルーツ。“厳しい冬が生み出した美”と言える存在です。

 

▲スタッフのユニフォームにもこぎん刺しの柄が入ります

 

▲ねぷたコーナー

 

東北三大祭りに数えられる青森のねぶた祭。弘前では“ねぷた”に変わり、立体的な人形を作る青森ねぶたの山車(だし)に対して、扇形の山車を使うのが弘前ねぷた。そのねぷた絵が、客室棟へ向かう通路を飾ります。絵師が制作したねぷた絵のほかに、制作に使う道具も展示されています。

 

▲大浴場へ向かう通路「ねねねコーナー」

 

「ねねねコーナー」に飾られる弘前ねぷた。青森の短い夏を燃焼するかのように盛り上がるねぷた祭り。「ねねね」とは津軽弁の「今夜は寝ないぞ」という意味に納得です。

 

▲津軽びいどろの照明は丸い形に歴史があります

 

1980年代まで漁具として使われていた緑色の“ガラスの浮き玉”。青森市内の浮き玉メーカー北洋硝子は、樹脂製のフロートが主流になると、カラフルな食器作りに転換。それが全国に知られる「津軽びいどろ」のはじまりです。飾られた照明は浮き玉をモチーフにした球形で、光の具合で色合いが変わるので、ここを歩くのが楽しみのひとつです。

 

▲廊下を飾るこぎん刺しの光と影

 

客室棟の最上階にある60mの廊下は「木漏れ日Kogin」と名付けられ、天井をこぎん刺しのアートが飾り、壁には影が映し出される幻想的な雰囲気です。2018年には海外メディアに「世界のホテルの美しい廊下10選」に選ばれ、フォトスポットとしても人気です。

 

|津軽こぎん刺しに彩られた客室


次のページへ

1 2 3 4

border