メイン料理は「あご出汁しゃぶしゃぶ」。立派な伊勢海老や和牛ロース、ふぐと、お野菜やキノコでいただきます。締めは、ご飯の代わりに、小麦と島原の美味しい水で作った「島原うどん」。細いうどんをさっとあご出汁に通します。
▲豪華なあご出汁しゃぶしゃぶの具材
▲旨味が際立つ琥珀色のあご出汁でいただくしゃぶしゃぶ
しゃぶしゃぶのつけダレは、ゴマダレとポン酢のような「橙酢(だいだいす)しょうゆ」。さらに、柚子の皮や醤油、砂糖を使い、唐辛子と共に煮た、壱岐独特の調味料「ゆべし」も用意され、柑橘系の爽やかな風味や辛味が広がり、味の変化を楽しみました。
▲左から、あご出汁に使う器と、ゴマダレ、橙酢(だいだいす)しょうゆ。手前が壱岐の薬味「ゆべし」
デザートは、島原の伝統的スイーツ「かんざらし」。1792年、眉山の山体崩壊による地殻変動で大量の湧き水が出るようになった島原の町。その湧き水で冷やした白玉団子に、砂糖や蜂蜜で作ったシロップをかけた冷菓です。界 雲仙では長崎名産のびわの種を鶯餡にのせて、びわ茶で作ったシロップでいただきます。お茶の風味と優しい甘さの上品な味わいでした。
▲島原の地元スイーツをアレンジした「ビワのかんざらし 界 雲仙風」
|朝食も長崎の味を満喫
朝は地域の味を採り入れた和食膳に力を入れる「界」。島原の郷土料理「具雑煮」をメインにした“ご当地朝食”をいただきました。とっても甘い長崎のミカンジュースや、この日の焼き魚の鯖の照焼き、ちょっと甘めのだし巻き卵などが並びます。
▲長崎の味がうれしい“ご当地朝食”
鍋料理「具雑煮」は、島原の乱で天草四郎が兵や領民に振舞ったと伝わる具沢山の雑煮で、魚や鶏肉、野菜などが入ります。優しい味わいで体が温まりました。
▲天草四郎の伝説が伝わる郷土料理「具雑煮」
▲利休牛蒡や彩なます、干し海老の卯の花など、多彩な味が楽しめました
長崎では卓袱料理のメインディッシュや名物の角煮まんじゅうとして親しまれる「豚の角煮」。長崎に居留していた中国人たちが伝えた東坡肉(トンポーロウ)がルーツです。角煮は、前夜の会席料理の先付けにリエットとしても使われていましたが、朝は角煮本来の姿で味わえます。
▲ほろほろの柔らかさ、豚の角煮
▲自家製ヨーグルトは、温泉の蒸気で蒸した人参ジャムがアクセント
遠く戦国時代から和・洋・中の味が混じり合い、独特の料理へと進化した長崎の和華蘭料理。そこに島原や壱岐など地域で親しまれてきた食材や、火山性の土地に由来する「湯せんぺい」や「かんざらし」などを【界 雲仙】が独自にアレンジ。ここでしか味わえない個性豊かな創作料理を、旅の想い出にしてみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:界 雲仙 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiunzen/>
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2023/03/05| TAGS: lifestyle
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