昔、建てられた木造の診療所を改装したカフェで、食後の紅茶を飲んでいました。
津和野で獲れた茶葉を発酵させた紅茶らしい。
隣に座っていた女性2人組の会話から漏れ聞こえてきた「ていねいな暮らし」について考えていました。
女性の1人は、東京の会社に籍は置いたまま津和野に移り住み、、リモートワークをしながら子育てする生活を選んだらしい。
彼女の隣には、生後数か月らしき、赤ちゃんが眠り、時折、目を覚まして泣き叫んでいます。
「ていねい」
スマホに打ち込むと「細かい部分に気配りが行き届く」の意味が最初に出てきました。
私の場合、安八(あんぱち)町に移住し、ヤギを飼い始めた時、
「そんな、ていねいな暮らしに憧れるわ~」
と東京で言われたことがあったのですが、正直、ピンときませんでした。
当時、母が持病のリウマチで庭や畑の管理ができないので、
私が変わって除草していたけれど追い付かず、ヤギを飼うことにしたのです。
「ていねい」とは程遠い。
「田舎暮らし」と「ていねいな暮らし」を安易に結びつけるのは違うと思う……飲みながら語ったことがありました。
しかし、安八町に暮らし始めて10年経ち、自分なりの暮らし方が確立してくると、
自分なりの「ていねい」に気づき始めたようにも思います。
季節に敏感になったことは、ある意味、細かい部分に意識が向くようになったことは間違いない。
歳を経たせいもあるのかもしれないけど。
たまたま、私の場合、安八町での暮らしで、「ていねいな暮らし」に気づいたけれど、
本来、安八町だろうが東京だろうが、旅先だろうが、
気づきのきっかけは、どこでも変わらず、いただくことができるのかもしれませんね。<text:イシコ>
2023/05/06| TAGS: lifestyle
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