ナプキンやタンポンなどに続き、第3の生理用品ともいわれている【月経カップ】。欧米を中心に世界中の女性に使用されており、ここ数年、日本でも取り入れる人が少しずつ増えているようです。そこで今回は、月経カップの使い方を紹介。使用するメリット&デメリットをチェックしてみましょう。
|月経カップとはどんなもの?
月経カップは、生理中に膣内に挿入して使用する生理用品。素材は医療用のシリコン製が多く、洗って繰り返し使えるのが最大の特徴です。形はメーカーにより多少の違いがありますが、一般的にはつり鐘のような形をしています。
<挿入の仕方>
(1) 石鹸をつかって手をよく洗う
(2) 便座に座るか片足をステップなどに乗せ、月経カップを縦半分に折りたたむ
(3) カップを折りたたんだまま膣内に挿入する
(4) 折りたたんでいたカップを開かせる ※カップ先端のリングや突起部分を持ち、回転させると開きやすいです
<取り出し方>
(1) カップの先端を持ち、ゆっくりと取り出す
(2) カップにたまった経血をトイレに流す
(3) カップをぬるま湯でよく洗う
(4) 膣に再挿入する
膣のトラブルや感染症を防ぐためにも、月経カップはいつも清潔にしましょう。1日に1回は石鹸を使用して洗い、1周期の生理がおわるごとに、煮沸消毒もおこないます。また、交換のタイミングは4時間~8時間くらいが目安。基本的には購入したメーカーの推奨する使用時間を守りましょう。
|月経カップを使用するメリット&デメリット
使用するメリットは下記の3つです。
(1) 繰り返し使えてお財布に優しい
月経カップは、洗浄して繰り返し使えます。最初は購入するのに数千円かかりますが、一度購入したものは数年〜10年くらい使えると言われています。長い目で見れば、ナプキンやタンポンに比べて経済的とも言えるでしょう。
(2) 生理特有のにおいが出にくい
生理のときににおいが気になるのは、ナプキンについた経血が空気に触れて酸化するため。月経カップは膣に挿入して使用するため、経血が外の空気に触れません。そのため、においが気になりにくいと言われています。
(3)健康管理のバロメーターになる
生理の経血は体調によって変化します。月経カップを使えば、中にたまった経血を確認できるので、いつもより量が多い、色が濃い薄いなどの変化にも気づきやすく、健康管理にも役立ちます。
このようにみていくと、月経カップはいいことづくめのようにも思えますが、実はデメリットもあるのです。
(1) 初期費用がかかる
月経カップの費用はだいたい1個¥2,000~¥4,000くらい。一度購入すればそのあとは費用がかかりませんが、ナプキンやタンポンを使い慣れている場合、高く感じるかもしれません。
(2) 慣れるまで失敗しやすい
使い方に慣れるまではカップの挿入が難しく感じたり、少し痛みを感じたりする人も。また、上手く装着できていないと、経血が漏れることもあります。
(3)衛生面の心配がある
月経カップは正しく洗浄して使用することが大切。きちんと洗えていないと、膣のかぶれやおりものの異常、感染症などを引き起こす可能性もあります。
|デリケートゾーンのケアには漢方もおすすめ
デリケートゾーンのケアには、漢方もおすすめです。デリケートゾーンのトラブルに対しては、「ホルモンバランスを整える」「泌尿・生殖器の炎症を鎮めかゆみを軽減する」「血流をよくして栄養をいきわたらせ、デリケートゾーンの皮膚の新陳代謝を上げる」「水分の循環をよくして、老廃物を排出し、おりものを軽減する」といった漢方薬を選びます。
漢方薬はデリケートゾーンのトラブルの根本改善を目的としますので、日頃から悩んでいる方には特におすすめ。陰部を清潔に保つことや食事、運動習慣に加えて漢方薬を飲むことが、陰部のトラブルやおりものの異常の改善につながります。また、漢方はお悩みを根本から改善するため、PMSや生理痛などの症状も同時に軽減することができます。
<デリケートゾーンケアにおすすめの漢方薬>
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):貧血ぎみでからだが冷えやすい方に。「血(けつ)」の不足を補い、血行を良くして水分代謝を整えることで膣に栄養を届け、バランスを整えます。
・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):比較的体力のある方に。湿熱を取り除き下半身の炎症を和らげます。デリケートゾーンのかゆみだけでなく、排尿時の痛みや色の濃いおりもののケアにも使用されます。
漢方薬を選ぶ際は、自分の体質や状態に合うものを選ぶことが重要なので、漢方薬の選び方が分からない方は、薬剤師がAIを活用し、自分に合う漢方を選んで自宅まで郵送してくれる「あんしん漢方」のようなオンラインサービスもおすすめです。
繰り返し使えて経済的で、においも気になりにくくなる月経カップは、しく使うことで、デリケートゾーンを清潔に保ちながら、快適な生理期間を過ごすことができます。気になる方はぜひ、トライしてみてください。そして、デリケートゾーンのケアには、漢方の力を借りるのもおすすめですよ。<text:医師 木村 眞樹子>
2023/06/14| TAGS: beauty
スキンケア
下着
月経カップ
漢方
生理
生理カップ
生理用品
きれいのニュース | beauty news tokyo