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知らない町の飲食店に入ることが楽しい理由

【思考をキレイにする旅の仕方(377)】知らない町の飲食店に入ることが楽しい理由

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人見知りが強いので、基本的に飲食店の方とお話することはありません。

 

しかし、店側から話しかけられれば笑顔で答え、

 

待っていましたとばかりに逆に質問をして、話が弾むことも多い。

 

 

佐渡島は宿根木の散歩中に立ち寄ったカフェは、まさにそんな展開でした。

 

宿根木は、江戸時代後期から明治初期にかけ、北前船の寄港地として発展した港町。

 

新潟県で唯一、国の重要伝統的建築物群保存地区に選定されています。

 

 

古民家を改装したカフェに入ると客は私とパートナーのみ。

 

年齢不詳の男性店主が注文を聞きにいらっしゃいます。

 

 

「街並み歩いた?どうでした?」

 

と聞かれ、一瞬、戸惑います。

 

この漠然とした感想を答えるのが難しい。

 

知人友人の舞台やライブの後に楽屋で聞かれると、いつも困るんだよなぁ。

 

一日経って、こうして文章にまとめれば出るんだけれど。

 

 

「よかったです」

 

と答えた後、逆に私から質問していきます。

 

疑問であれば湧き出るように出てくるんですよね。

 

 

以前は川崎で働いていてUターンで戻ってきた、

 

高齢化してできなくなった田んぼを引き受けてやっているので広がっている、

 

消防団の成り手不足で一度入ったら20年は続けることが普通、

 

息子さんは元和食の料理人で、アメリカ大使館でも腕をふるっていたなど、

 

おじさまと家族の半生を聞きまくっていました。

 

 

彼は街並み保存の中心メンバーでもあるようです。

 

外観維持で、古い建物をそれぞれ既に3回手直ししてきたけれど、

 

空き家になっていく家も増えつつあり、頭を悩ましているらしい。

 

なんとも充実した1時間のコーヒータイムとなりました。

 

これだから知らない町の飲食店に入ることは楽しい。<text:イシコ


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