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会津の名酒を飲みつくす。1日1組限定【星野リゾート 磐梯山温泉ホテル】秋の地酒プラン

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日本有数の酒処として知られる福島県・会津地方。【星野リゾート 磐梯山温泉ホテル】では会津の蔵元31蔵のお酒がそろう日本酒好きにイチ押しの施設です。年間を通じて日本酒の様々なアクティビティも用意。今回は日本酒をとことん愉しむ1泊1組限定の宿泊プランを紹介します。

 

|日本酒づくしの秋のプラン

 

2019年から毎年冬におこなわれてきた会津の地酒を満喫できる宿泊プラン。今年は「あいづ日本酒よっぱら滞在 ~秋のひやおろしを堪能編~」として、2023年9月4日から11月23日までの月曜から木曜チェックインで受け付けています。“よっぱら”  とは会津言葉で「たくさん」という意味。秋に美味しい “ひやおろし” を中心に、たくさんの地酒を楽しめます。

 

▲米どころ会津。電車や車の窓からは、延々と続く田んぼが見られます。黄金に輝く収穫直前の稲穂の向こうに磐梯山が見えました

 

会津地方は米どころとして知られます。日本酒の原料となる酒造好適米も生産され、なおかつ上質の水に恵まれた土地柄。毎年5月に行なわれる全国新酒鑑評会で、福島県は金賞受賞数日本一を9回連続成し遂げたほど美味しいお酒がそろいます。

 

|お酒を愉しむための特別室

 

今回泊まるのはメゾネットタイプの「会津モダンスイート」で、日本酒セラーと伝統工芸品の酒器が置かれます。104平米の客室は、会津の古民家に見られる土間や小上がりをモチーフにしていて、洋室ですが靴を脱いで利用するため、晩酌は床に座ってのんびり過ごせる、まさに日本酒を愉しむための設えです。

 

▲メゾネットタイプの客室「会津モダンスイート」

 

▲1階のリビングでは会津文化にも触れられます

 

会津藩が産業振興策として力を入れた会津木綿は、クッションや照明器具の笠に使われ、漆塗りの技術は酒器やモダンなちゃぶ台「Nodate CHABU」に活かされています。

 

▲猪苗代湖に映り込む磐梯山を描いた壁。階段は2階の寝室に続きます

 

▲2階の寝室には4台のベットのほかにソファベットが置かれ、最大5名まで宿泊可能

 

▲リビングのミニキッチン

 

シンクのついたカウンターや、酒器、日本酒セラーを備えます。壁の棚には会津の伝統工芸品「赤べこ」や「絵ろうそく」、「起き上がり小法師」などが飾られます。

 

▲3種類の酒器を用意

 

日本酒は、酒器の素材や形によって味わいが変わります。会津漆器や、会津若松に隣接する会津美里町(旧会津本郷町)の本郷焼きなどの器が用意されていので、同じお酒を酒器を変えて飲みくらべることもできます。

 

▲日本酒セラーの中には、ホテルの利き酒師がセレクトした会津の地酒が3種入っています

 

この日は辰泉酒造の「京の華」(純米吟醸)、榮川酒造のホテルオリジナルラベルのお酒「あいばせ踊らんしょ」(純米吟醸)、国権酒造の「國権 夢の香」(特別純米酒)が用意してありました。セラーのお酒は無料で楽しめます。

 

▲会津塗の器でいただきました

 

|日本酒の事を知る「ひやおろし講座」

 

日本酒好きのホテルスタッフが客室で30分ほど、秋のお酒 “ひやおろし” の基礎知識やお酒の楽しみ方を伝授してくれる講座です。「会津 SAKE Bar」のお酒リストもあるので、全部試してみるのもいいですね。

 

日本酒は、味を劣化させる酵素などの働きを止めるため、絞った直後の春に火入れ(加熱)して、夏の間熟成させてから、夏の終わりに2度目の火入れをして出荷しますが、「ひやおろし」は春の1度しか火入れをしないお酒です。熟成した旨味とフレッシュな生の味わいがおいしい、秋だけ飲めるお酒です。

 

▲「ひやおろし講座」で知識を深める

 

講座のあとには3種類のひやおろしを飲みくらべる実践編。この日用意されたのは、会津産のお米チヨニシキを使った榮川酒造の「秋あがり純米酒」、杜氏が育てた天のつぶを掛け米に使った会津男山酒造の「INOMATA65 秋あがり」、そして会津産美山錦を使った山口合名会社の「会州一 特別純米 ひやおろし」の3種類。冷やで飲んだり燗にしたりと、味の違いを体験します。

 

▲「会州一 特別純米 ひやおろし」は、本郷焼きの器でいただきました

 

1643年に創業した山口合名会社は、会津に現存する酒蔵の中で最も古い蔵元です。「会州一 特別純米 ひやおろし」は、リンゴを思わせる甘さやまろやかさに、心地よい辛味を特徴とする純米酒です。

 

|プランで無料になる酒バー

 

このプランの目玉のひとつが、会津にある蔵元31蔵の酒蔵から、ホテルの利き酒師が選んだお酒を一同に集めた「会津 SAKE Bar」を無料で利用できること。時には入手困難な希少酒や、季節限定のお酒などが登場するので、心ゆくまで楽しんでみてください。

 

▲「会津 SAKE Bar」は15時から21時30分までオープン <画像提供:星野リゾート$磐梯山温泉ホテル>

 

日本酒ファンはもちろん、特におすすめが初心者の方。お酒に詳しいスタッフが好みに応じてセレクトするうえ、お酒を紹介するカードも添えてくれるので、味わうポイントが判ります。ぜひ日本酒の美味しさを、覚えて帰ってくださいね。

 

|会津の街で酒めぐり「よっぱら酒さんぽ」

 

翌日は会津若松の街を巡る「よっぱら酒さんぽ」に出発。チェックアウトを済ませ、自家用車またはタクシーで、古い街並みが残る七日町駅まで移動。日本酒好きのスタッフと合流して、漆器店やお土産物店、酒蔵見学など、日本酒にまつわるお店を訪ねます。12時30分に現地解散になるので、散歩のあとは会津郷土料理店でランチをするのもおすすめです。

 

▲スタートはレトロな駅舎の七日町駅

 

会津若松の隣駅にある七日町駅は、「なぬかまち」が正式な読み方。会津の西の玄関口として栄えた場所で、大正浪漫風の駅舎は、古い街並みが残る七日町通りのシンボルです。

 

▲「工房鈴蘭」にはかわいい漆器がいっぱい

 

ガラスに漆を塗るのはとても困難ですが、独自の技法で会津塗を施したガラス食器などを販売する人気のお店。直営店のため値段もお手頃で、カラフルでモダンな商品をそろえます。写真は高品質な漆を使った会津塗のカラーグラデーションシリーズのカップです。

 

▲新商品の、銀を塗ったガラス製品

 

銀を塗ったガラス製品はほとんどなく、色合いが独特な器です。手作りのため一つ一つ微妙に異なる味わいなので、個性を大切にする器探しにおすすめです。

 

▲七日町通りでひときわ目立つ建物が「白木屋漆器店」

 

1650年ごろに創業し、1720年代から漆塗りの製品を製造販売している老舗です。

 

▲大正3年に建てられた3階建て土蔵造り

 

ルネッサンス様式を採り入れた洋風建築ですが、伝統的な土蔵造の工法で建てられています。会津若松市の歴史的景観指定建造物に指定され、資料館として使われる蔵も併設しているので、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

▲会津塗ならではの金地の小盃

 

白木屋では1,000種類以上の漆器を取り扱っていて、お手頃価格の器もあるので、お土産探しに人気です。お正月に欠かせない屠蘇器(とそき)や、お雛様の盃など、内側が金色のゴージャスな小盃やぐい呑みなどもそろえます。とても美しい消金地(けしきんじ)技法は、塗り物に細かい金粉を使って装飾する会津塗独特の蒔絵技法。会津漆器の美しさに感嘆する体験です。

 

▲会津藩御用達ほしばん絵ろうそく店」

 

会津では戦国時代の天正年間にろうそく作りが盛んになり、民芸品として確立した会津絵ろうそく。ほしばん絵ろうそく店」は1772年に創業した老舗で、今も手作りのろうそくに絵柄を手描きしています。絵付け体験もおこなっています。

 

ほしばん絵ろうそく店」に飾られた家宝の陣笠

 

藩政時代、お店のご主人は藩から帯刀を許され、陣笠をかぶって鶴ヶ城に通い、城内で絵ロウソクを作っていたそうです。家紋のない陣笠は、参勤交代の際江戸にろうそくを持参した時に被ったもの。歴史を感じるひと時でした。

 

▲七日町の路地にあるおすすめのお土産物店「会津ブランド館」

 

赤べこ柄の雑貨や会津の漆器、全国のクリエイターとコラボしたのハンドメイドアクセサリー、会津名物ソースカツ丼のソースなどがそろいます。かわいらしいお土産探しなら必ず立よりたいお店です。

 

▲1850年創業の末廣酒造では、明治から大正にかけて造られた木造三階建ての蔵を含め9箇所の建物が登録有形文化財に指定されています

 

美味しい酒造りに欠かせない上質な天然水が地下から湧き出す末廣酒造。近隣住民が汲みに訪れていました。

 

▲無料の酒蔵見学を開催。この日は偶然ながら、お話が面白い新城会長ご自身に案内していただきました

 

末廣酒造は「山廃」仕込みを最初に試みた蔵のひとつとして知られます。明治末期に山廃を考案した大蔵省醸造試験技師の嘉儀金一郎とともに、膝たけほどの桶に蒸した米や麹、水を仕込み、櫂ですり潰す「山卸(やまおろし)」という重労働を廃止した「山廃」を研究し、3年かけて完成。現在主流の近代的な醸造方法よりも手間はかかりますが、今も多くの日本酒ファンを魅了する山廃仕込みの礎を築いた蔵のひとつです。

 

▲見学会の後には試飲も用意

 

蔵見学の最後にお酒を試飲させていただきました。売店では末廣酒造の様々なお酒をそろえているので、お土産探しにイチ押しです。

 

▲七日町からは3キロほど離れていますが、天寧寺町にある「ヒューマンハブ天寧寺倉庫」もぜひ立ち寄りたいお店です

 

1階には会津の伝統工芸品など、衣食住や文化にまつわる商品のほか、漆器の木地師や塗師、蒔絵師として自立を目指す人のためのシェア工房、シェアキッチンのほか、熟練珈琲マスターが淹れる珈琲を提供するカフェを併設。2階はコワーキングスペースになっていて、未来の会津文化を支える発信基地になっています。

 

▲ヒューマンハブのヒット商品のひとつ「choko」

 

ひもを通して首から下げる漆塗りの酒器はたったの18グラム。マグカップもあって、キャンプ用品としても重宝します。

 

▲カフェでは角打ちもできます

 

カフェでは、農薬や化学肥料を一切使わず栽培した酒米を使い、生酛(きもと)造りで仕込む郡山の酒蔵「仁井田本家」のお酒も販売。カップ酒の「にごり」はドロッと濁って糀の風味や生酛らしい酸味が感じられ、甘酒のような飲みやすいお酒です。

 

|ランチで楽しむ郷土料理

 

ランチは磐梯山温泉ホテルのスタッフおすすめの、七日町駅に近い「渋川問屋」でいただきました。前身は明治15年創業の海産物問屋で、市内に卸売市場が開設されたことを機に、昭和57年から宿を併設した郷土料理店として再開しました。

 

▲大正期に建てられた渋皮問屋は、店内も情緒たっぷりです

 

「最初の乾杯は会津の地酒で」を市の条例とする会津若松市。今回いただいた「山海料理10品コース」は、棒タラ煮、郷土料理のニシンの山椒漬、ニシンの天ぷら、干物と野菜たっぷりの会津の汁物こづゆ、そば粒がゆなど、日本酒によく合う味つけです。

 

▲食前酒のにごり酒と先付の「いか人参」

 

越後街道の出口に位置する会津若松は、新潟から身欠きにしんや棒だらなどの海産物が運ばれた土地柄。会津の食文化を支えた海産物問屋だったお店で、郷土の味を楽しみました。

 

▲ニシンの昆布巻

 

 

日本酒ファンはもちろん、日本酒初心者にこそ断然すすめの【星野リゾート 磐梯山温泉ホテル】の宿泊プラン「あいづ日本酒よっぱら滞在」。美味しいお酒を楽しむことはもちろん、酒蔵見学や酒器探しなど、まさに日本酒づくしの1泊2日。心行くまで味わってみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:星野リゾート 磐梯山温泉ホテル https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/bandai/


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