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健康のバロメーターとして定期的にチェック。薬剤師が解説「注意すべき尿の匂いと対策法」

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普段と「尿の匂いが違う」と感じた時、健康面でなにか問題があるのかもと感じてしまうもの。そこで今回は、注意すべき【尿の匂い】と対策法について解説します。

 

|注意が必要な尿の匂いとは?

 

尿の匂いが気になる場合「膀胱炎」や「糖尿病」などの可能性があるため注意が必要です。

 

(1)「膀胱炎」が疑われる尿の匂い

 

出したばかりの尿からアンモニア臭がする場合は、膀胱が感染症を起こしている可能性があります。膀胱が細菌に感染すると炎症を起こし、放っておくと悪化する恐れがあるため注意が必要です。アンモニア臭は、そうじが不十分なトイレで発生することが多く、鼻にツーンとくる独特の匂いが特徴です。通常は、体外に排出された後にしばらくして尿からアンモニア臭がしますが、膀胱内で細菌が繁殖すると、排出直後の尿からアンモニア臭がします。

 

(2)「糖尿病」が疑われる尿の匂い

 

重度の糖尿病になると、尿から熟れすぎた果物のような甘い匂いがします。糖尿病は体内に取り込めなかった糖が血液中に過剰に残された状態で、目の網膜や腎臓、神経にさまざまな合併症を引き起こす恐ろしい病気です。糖を体内にうまく取り込めないと、細胞は脂肪を分解してエネルギーを作ろうとします。脂肪が分解される過程で、熟れた果実のような甘酸っぱい匂いのするケトン体が発生。ケトン体は尿となって排出されるため、糖尿病になると尿から甘い匂いがするのです。

 

|食べ物や水分不足で尿が匂うケースも

 

食べ物や水分不足が原因で尿の匂いが気になるケースも。その場合は、日常でできる対策を実施すると尿の匂いが気にならなくなる可能性があります。

 

ニンニクを食べると、ニンニク臭の尿が出ることがあります。その他にも、アルコール、コーヒー、ニラ、アスパラガス、ブロッコリーを摂った際に尿の匂いが気になることも。飲食物による尿の匂いが気になる場合は、食材を見直したり、水分を多めに摂ったりするとよいでしょう。

 

|尿の匂いが心配な場合は泌尿器科を受診

 

そして、どうしても尿の匂いが気になる場合は、病気の有無をはっきりさせるためにも泌尿器科を受診しましょう。

 

泌尿器科を受診すると、まずは尿中のたんぱくや赤血球、白血球、細菌を調べ、尿の異常を確認してもらえますし、血液検査で血糖値や炎症の有無、腎臓の機能について調べたり、超音波で膀胱や腎臓の様子を確認したりできます。尿の匂いが気になる場合は病院を受診して、病気の有無をはっきりさせましょう。

 

|「膀胱炎」による排尿トラブルを予防したい方におすすめの漢方薬

 

膀胱が細菌に感染すると膀胱炎になって、匂いや濁りといった尿の異常、排尿痛などの排尿トラブルが生じる可能性があります。膀胱を細菌から守るためには、漢方薬でからだの内側からケアするのもおすすめ。

 

例えば「猪苓湯(ちょれいとう)」は尿量を増やして菌を排出させる効果を期待でき、頻尿、残尿感などの改善によく用いられる漢方薬で、膀胱炎の痛みや炎症を和らげ、排尿作用により菌を排出するだけでなく、冷えや過労、ストレスなどにアプローチして、「膀胱炎」になりにくいからだづくりをめざすことができます。

 

なお、漢方薬は副作用が起きることもあるので、自分の体質や状態に合ったものを選ぶのがポイント。自分に合った漢方薬の選び方がわからない場合は、医療チームとAIが体質や症状に合った最適な漢方薬を選んで届けてくれる「あんしん漢方」のようなオンラインサービスを利用するもおすすめです。

 

尿の匂いが気になる場合は、まずは飲食物の影響を考えてみましょう。そして、飲食物を変えても尿の匂いが気になる場合は、「膀胱炎」や「糖尿病」などの可能性があるため、病院を受診して原因を調べてもらってくださいね。<text:薬剤師・中田 早苗(なかだ さなえ)>


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