長崎本土の西側の海に浮かぶ五島列島。その中でも最も大きく、多くの人が住んでいるのが「福江島」です。飲食店や宿泊施設が並ぶ中心街と、手つかずの自然の両方を楽しむことができる上に、キリシタン関連の施設を巡ったり、長崎本土に加えて島ならではのグルメを食べたりと、さまざまな楽しみ方ができます。
|美しい海が広がる福江島をドライブで一周
五島列島は海が美しいことで知られる土地ですが、もちろん福江島も例外ではありません。
▲香珠子海水浴場に広がる美しい海
特に中心街から比較的近いところに位置している「香珠子(こうじゅし)海水浴場」や、島の西部にあり西側が開けている「高浜海水浴場」などは、エメラルドグリーンの美しい海が広がっている人気のスポット。島内にあるビーチは遠浅のものが多いのも特徴のひとつで、シーズンにはのんびりした海水浴に最適です。
▲レンタカーやレンタルバイクで島めぐり
島の周囲は100kmほどあり、国内の離島の中ではかなり大きいものです。1日で周りきることも可能ですが、車でも1周するには移動だけで数時間かかるため、できれば2日以上にわけて周ることをおすすめします。
▲高浜海水浴場は夕日の名所でもあります。向こうに見えているのは、嵯峨ノ島
海の青さを楽しむには適していませんが、夕焼けが美しいスポットも多くあるので、夕方には島の西側での散策をしてみてはいかがでしょうか。
|世界遺産に関連した教会群は見逃し厳禁です
世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産がいくつもある五島列島。福江島にあるのは関連施設のみですが、周辺の島には世界遺産登録された教会があり、大きな見どころとなっています。
福江島にある関連施設は、五島キリスト教会のシンボル的存在とも言われている「堂崎天主堂」です。赤レンガが特徴的な外観で、島内でも特に人気の観光スポット。県の有形文化財に指定されているものの、現在内部はキリシタンの資料館として利用されており、ミサなどは行われていないため、世界遺産の構成遺産からは外れることになりました。
他にも、島内には「福江教会」や「水ノ浦教会」など、合計13の教会が建てられています。福江島はエリアによって文化が少しずつ違っている島でもありますが、教会の特徴がそれぞれ違っているのも見どころのひとつ。教会めぐりをする際には、外壁の色や形などに注目して見比べてみてください。
▲久賀島や奈留島は福江島からアクセスできる世界遺産の島
また、福江島の周辺にはいくつかの小さな離島があります。「久賀島(ひさかじま)」や「奈留島」では、集落が世界遺産に認定されているため、見応えのある教会も残されています。福江島訪問の際には、周辺の小さな離島もセットで訪れることで、より五島列島の文化を楽しむことができるでしょう。
|長崎グルメ+五島グルメを楽しもう
福江島を始めとする五島列島の食文化は基本的に長崎本土のものとほぼ同じです。例えば、長崎のご当地グルメとして名高い「長崎ちゃんぽん」を提供しているお店も多くあります。
「長崎ちゃんぽん」は店舗によって使っている具材の種類やダシが違うので、食べ比べするのも楽しいご当地グルメのひとつ。他にも、パリパリの麺の上に五目餡掛けをかけた「皿うどん」も島内で食べられます。
また、海が美しいことはすでにご紹介しましたが、釣りの名所とも言われている五島列島。長崎県内でも海産物が特に新鮮な地域のひとつとして知られています。刺身やお寿司で食べるのはもちろん、キビナゴ(五島では「キビナ」とも呼ぶ)の田楽といった九州地方ならではの郷土料理も人気となっています。
さらに五島列島ならではの食材としては高級黒毛和牛「五島牛」が代表的。福江島では五島牛のステーキやハンバーグを食べることができます。
五島列島内で肥育された牛のみが名乗ることができるブランドということもあり、市場に出回る量が少なく「幻のブランド牛」とも言われる珍しいお肉なので、島訪問の際にはお見逃しなく。
100以上の島々から成る五島列島の中で最も大きいのが「福江島」。他の島と比べると中心街は飲食店や宿泊施設などが多くあるものの、少し移動すれば手つかずの自然を堪能することもできます。
美しい自然と歴史的な教会などの建物、そして五島列島ならではの食文化。魅力が溢れる福江島でその全てを満喫してみる旅はいかがでしょうか。<text&photo:岡本大樹>
2024/01/05| TAGS: lifestyle
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