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絶景の犬山城に感動。【ホテルインディゴ犬山有楽苑】の心奪われる滞在

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愛知県北部、木曽川のほとりに立つ【ホテルインディゴ犬山有楽苑】は、2022年3月に開業したライフスタイル・ブティックホテルです。“ネイバーフッド(近所、地域)”をコンセプトに、地元の文化や歴史に触れられるほか、国宝に指定される犬山城の絶景は圧倒的。今回はそんなアートや景観を中心に紹介。順次ホテルステイ編とグルメ編も紹介します。

 

|歴史とアートのホテル

 

ホテルからは犬山城を間近に仰ぎ見ることができるほか、隣接する庭園「有楽苑(うらくえん)」には、織田信長の実弟で茶人となった織田有楽斎が建てた国宝の茶室「如庵(じょあん)」があります。すぐ横を流れる木曽川では鵜飼がおこなわれ、毎年4月に開催される犬山祭からインスピレーションを得た意匠が館内を飾るなど、犬山の文化と歴史を観て感じられるホテルです。

 

▲江戸時代初期の1618年に建築された国宝の茶室「如庵」

 

その特徴的な造りが、ホテルの内装にも現れる「如庵」は、千利休の弟子の1人でもあった織田有楽斎が京都に造った茶室で、400年を超える建物です。明治維新後、東京、神奈川を経て、昭和47年(1972年)に織田家にゆかりのある犬山城の東に移築。ホテルの宿泊客は、部屋のカードキーまたはカードキーケースを提示すると無料で見学ができます。

 

▲織田有楽斎が好んだと伝わる竹林を模したアプローチ

 

枯山水の庭園を散策しているようなアプローチを抜けてエントランスに向かいます。

 

▲ミステリアスな枯山水に和心を感じます

 

エントランスの枯山水は、季節や日ごとに描かれる模様が変わります。

 

▲ホテルに入った瞬間、目の前に広がる絶景

 

目の前にそそり立つ犬山城は圧巻の景色。1537年に築城された現存天守で、国宝5城のひとつです。ライトアップする夜の犬山城も見事です。

 

▲犬山を感じるデザインはそこかしこに

 

ロビーのソファゾーンは掘り下げ式になっていて、座るとより広い空を背景に犬山城を見上げることで、城の存在感がさらに増します。カーペットには木曽川の流れがデザインされ、テーブルには川を泳ぐ鮎が加わります。

 

▲迫力のアートに圧倒されるレセプション

 

レセプションカウンターの背後には、ホテルのすぐそばでおこなわれる木曽川の鵜飼のかがり火を、日本版画の手法を使ってダイナミックに表現した屏風絵が飾られます。

 

▲茶室を思わせる丸窓

 

レセプションの左側を見ると竹林を眺められる丸窓があります。これは「如庵」の土間庇にある丸窓をイメージしたもので、夜になると外がライトアップされ、昼間とは違う表情が見られます。

 

▲ライブキッチンの扉を飾る家紋

 

扉を飾る家紋は、両端から1617年に城主となり2004年まで犬山城を私有していた成瀬家の “丸にかたばみ”、その内側に織田家の “織田木瓜(もっこう)”、中央にはホテルのオリジナル家紋が並びます。ホテルの紋は有楽斎が茶花として好んだ椿の花がモチーフ。事実、椿には有楽椿(太郎冠者)という品種があるほどで、花を「如庵」の丸窓にかたどり、花びらには「如庵」の畳と有楽苑の竹をあしらいます。中央にある13の花粉は、犬山祭で運行する13地区13輌の車山(やま)の数を表します。

 

▲手仕事の名品が並ぶリゾートセンター

 

「凛」と「彩」をテーマにしたスタイリッシュなスペースは、棚の造りが特徴的で茶室の飾り棚を思わせます。趣向を凝らした工芸品を展示販売しています。

 

▲鮮やかな色使いの椅子は、城下町の賑わいを表現

 

▲水面に映る犬山城も風情たっぷり

 

ロビーから出てすぐの水盤は、景色が綺麗に反射する6cmの深さに設計。青空の雲やライトアップした犬山城はもちろん、月や夕焼け、秋の紅葉も綺麗に反射するので、映えるリフレクション写真を簡単に撮影できます。

 

▲廊下を飾る旧名鉄犬山ホテルの記憶

 

中部の奥座敷として、格式のある旧名鉄犬山ホテルの跡地に立つホテルインディゴ犬山有楽苑。旧ホテルに飾られていた鵜飼いを描いた陶板のレリーフに、枯山水の庭園から着想を得て川の流れを表現した漆喰の壁を組み合わせ、現代風にアレンジ。名鉄犬山ホテル時代からのゲストには、今はなきホテルの想い出が蘇るスポットです。

 

▲犬山焼のピクトグラム

 

元禄年間に焼き物作りが始まり、城下発展のため成瀬家に庇護された犬山焼。客室で使われている犬山焼の茶器はホテルで購入可能です。

 

▲色や形が全てことなる廊下のアート

 

長江を見下ろす丘に立つ中国の白帝城の姿から、犬山城は白帝城の異名があります。李白の詩『早朝、白帝城を発つ/朝焼けの彩雲の間に見える城に別れを告げる』という詩から、廊下で目を引く丸いアートは彩雲がモチーフ。カーペットは、如庵に続く飛び石や路地をイメージして、枯れ葉や雪など四季を感じるデザインです。

 

|バータイムは犬山城を見上げながら

 

犬山祭で、13輌の車山(やま)が提灯を灯して夜の城下町を運行する「夜車山(よやま)」。その幻想的な光景から名付けられたバーでは、シグネチャーカクテルのほかバーメニューもそろえていて、外来の方もウェルカムです。

 

▲「the BAR Yoyama」

 

▲バーの照明は、犬山祭の夜を彩る車山の提灯をイメージ

 

▲バーの一角には如庵の「暦張り」を再現

 

古い茶室の壁には、腰から下の位置に筆書きした書が貼られることがありますが、「如庵」は古い暦(こよみ)を貼った「暦張り」が特徴です。「the BAR Yoyama」のパーテーションにも再現され、さり気ない彩りを添えています。

 

▲抹茶と見間違えるシグネチャーカクテル

 

「the BAR Yoyama」のおすすめは、茶人として名を馳せた織田有楽斎が今を生きていたら飲みたくなるであろうシグネチャーカクテル「有楽ナイト」。犬山茶の抹茶と「ヘネシー」、そして「ボルス」のカカオブラウンを使い、金箔をひと振り。抹茶茶碗で提供され、お茶の爽やかな苦みと奥行きのある味わいを楽しめます。

 

▲ホテルスタッフの腰ひもは恋のあかし

 

犬山祭で「手固(てこ)」と呼ばれる車山の引き手は、腰から色鮮やかな腰ひもを垂らしています。かつては手固をつとめる男性に思いを寄せる女性から、腰ひもが贈られたことから始まった装いです。同じくホテルのスタッフも腰ひもを垂らしているので、ぜひ注目してください。

 

▲夜は水盤に写り込む犬山城のライトアップをお楽しみください

 

小牧・長久手の戦いや関ケ原の戦いで重要拠点となった犬山城や、茶の湯を極めた織田有楽斎、そして江戸時代初期に起源を持つ犬山祭など、歴史と文化に彩られたライフスタイル・ブティックホテル【ホテルインディゴ犬山有楽苑】。ここで唯一無二のアートと絶景を満喫してみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:ホテルインディゴ犬山有楽苑 https://inuyama.hotelindigo.com/


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