世の中で広まる確証のないうわさ話「流言飛語」。
「あなたが見たのですか?」、「確かめましたか?」など問いただしたいこともありますが、不穏な空気が流れるので、
「どこで聞いたんですか?」
と質問するようにしています。
相手が真剣だと茶化すわけにもいきません。
「もし、違っていたら大変なので確かめてから言った方がいいですよね」
と申し上げることもありますが、感情的になっていると抑えきれません。
「そういえば……」
などと別の人が自分の記憶を都合よく解釈し、新たな流言飛語が加わり、徐々に、それが真実かのようになっていくのです。
その中に「声の大きい」人がいると厄介なんだよなぁ。
それは声量の大きさではなく、マウント(肩書や見栄えなどで優位な立場をとること)を取る人。
そういった「声の大きい」人が流れを変え、集団心理を扇動してしまうことがあります。
曖昧な空気を好む日本人にとって、もちろんいいこともあるのですが、悪いことも多い。
昨年、話題になった映画「福田村事件」
100年前、関東大震災後の混乱の中、千葉県で起きた事件を元に描いた作品です。
「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などといった流言飛語が起こした社会不安が自警団を暴走させました。
香川県から来ていた薬の行商団に対し、「言葉がおかしい」、「朝鮮人ではないか」と妄想がどんどん膨らみ、
行商団の子どもを含む9名が殺害されたのです。
その時、村長は、「日本人じゃないか!」と群衆を説得したけれど、
「声の大きい」人の存在もあり、駐在所の巡査が本署に問い合わせに行っている間に事件は起きてしまいました。
行商団を自分自身の旅先に置き換えたらぞっとし、
新型コロナウイルス、ウクライナや中国、北朝鮮の世界情勢など、どこか似ているような、
そして、SNSによる流言飛語……などと考え、恐ろしくなったのです。<text:イシコ>
2024/02/17| TAGS: lifestyle
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