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「想定外のタンス預金を発見…」さすがに“無申告で山分け”はマズい?

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お金と老後の迷える子羊相談所(6) 祖父が亡くなりタンスからたくさんのお金が! そのまま山分けしてもいい?

 

今回の相談者は50代のE美さん。骨董商を営んでいた祖父が亡くなり、たくさんのお宝とともに古いタンスから現金も出てきて、家族で頭を悩ませているといるそう。

 

そんなE美さんの悩み「亡くなった祖父のタンス預金、家族で山分けってあり?」にアドバイスをしてくれるのは、税理士法人フューチャーコンサルティング代表の税理士・小澄健士郎さんです。

 

小澄さん:「タンス預金」とは現金を自宅等に保管しておく行為。実際はタンスの中でなくても、自宅の金庫や銀行の貸金庫などに保管してあることもあります。この、タンス預金がある場合「本来はこの位の金額が金庫に残っていたはずだ」など、ご家族の中でその金額につきトラブルになることも多くあります。

 

ちなみに、このタンス預金も相続財産に含まれるので、もちろん税務署への申告が必要です。過去において銀行から大きな出金があってその使途が不明な場合、「現金にして保管している」と判断されます。相続税の税務調査において修正が必要な場合の約9割が「現金・預金」に関することだと言われていて注意が必要な財産と言えるでしょう。

 

E美さん:
気軽に山分けできるものでもないんですね。

 

小澄さん:
そうですね。日本の税金制度では、お金が増えること(所得)に対して課税されます。給料でお金が増えるのであれば「所得税」、お金を貰ったのであれば「贈与税」、遺産でお金が増えたのであれば「相続税」といったように、お金が増えたのであればすべて課税対象となり、どのような理由で増えたのかによって税金の種類が異なるだけということです。それを無視してこっそり銀行口座に入金したとしても、「高額の入金があるが、その申告がなされておらず、申告漏れが想定される」と税務署から問い合わせが来ることもあります。正しく計上して申告しましょう。

 

E美さん:
後々の税務調査やペナルティを考えると、やはりきちんと正しく申告するべきということですね。今回のことをきっかけに、税金についてもっと知りたくなりました。知らないことが多すぎるなと。何で学べばいいですか?

 

小澄さん:税金を知ることで、社会に対する視野も広がるので良いと思います! もし、E美さんが事業をされているなら、商工会議所や自治体で行われているセミナーに参加してみるのがおすすめです。それに、今の時代はYouTubeなどのメディアなど、情報を入手できる手段はたくさん。私も北海道のラジオ局でお金をテーマにした番組に毎月出演しているのですが、アーカイブはポッドキャストでいつでも聞くことができます。よかったらチェックしてみてくださいね。

 

▲監修:小澄健士郎/税理士・行政書士 税理士法人フューチャーコンサルティング代表。30代を目前に将来のことを考え外資メーカーの営業から、税理士をめざし独立したという異色の経歴の持ち主。北海道のラジオFMノースウェーブで、お金の話を、分かりやすく・楽しく伝え、人生をより前向きに1UPさせるきっかけを得る番組『1UP LIFE! 1UP RADIO!』に出演。番組はポッドキャストでも視聴可能。常に念頭においているのは『人生100年時代!!』。少しでも将来の不安を解消し、安心につなげるお手伝いをすることがモットー。


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