|モダンガールが活躍した時代
日本画壇の巨匠として知られる荒木十畝が手がけた天井画が映える「十畝の間」。大正から昭和初期は、都会の女性が職を得て社会進出をし始めた時代で、ここでは職業婦人や夜会、銀ブラなどをテーマに展示をしています。
▲十畝の間のテーマは「モダンガールの装い」
女性に開かれていた職業としては、タイピストやバスガール、カフェの女給さんなど。女性が活発に働き始めた時代です。
▲「銀ブラ」をテーマにした展示
洋装を楽しむ女性と、菊模様を配したモスグリーンの着物に流行の黒い帽子をかぶり、和洋折衷の服装に身を包む女性。華やいだ装いで、百貨店が建ち並ぶ銀座の散策を楽しむ様子です。一緒に写真を撮って登場人物になれるフォトスポットもありました。衣装とコーディネートは松竹衣裳が担当。モダンガールたちの当時のライフスタイルを伝えます。
|モダンガールのおめかしは
2番目の座敷「漁樵の間」は“モダンガールのおめかし” がテーマ。明治から昭和初期にかけて輸入された舶来品や、それらを参考にした日本製の化粧品や香水、バッグやアクセサリーなど、当時の “オシャレ” に触れられる展示です。
▲きらびやかな色彩に包まれる「漁樵の間」
金箔や純金泥、純金砂子で仕上げられた「漁樵の間」は、文化財「百段階段」で最も絢爛豪華な座敷です。当時の化粧品などのパッケージやポップを見られるのももちろんですが、贅を尽くした部屋の装飾も驚きの連続です。
▲化粧品メーカー「Mattever」のパッケージデザインは美術品クラスの美しさ
化粧品などのメーカーがモダンガールをイメージしたパッケージを採用。精緻で美しい女性像や、当時最先端のデザインスタイルだったアール・デコ調の美しいイラストも見られ、その後の日中戦争や太平洋戦争で、すべて消え去ってしまうことが信じられない水準です。
▲ご卒業お祝いセット
1903年に創業した中山太陽堂(現クラブコスメチックス)が、当時の女学生に卒業祝いとして送った化粧品のセット。
|昭和モダンのバーを再現
礒部草丘の手になる四季草花や松原の絵が欄間や天井を飾る「草丘の間」。ここでの展示は夜のバーをイメージ。当時の雑誌『婦人世界』1929(昭和4)年7月号には「モダンガールの資格十ヶ条」が紹介され、第四条には「洋酒と名の付くものは、ひと通り飲んでしかも名前を覚えなくてはいけない。これは少々お金がかかるので時にはおごらせる必要がある」などとあり、当時の男女が楽しんだレトロモダンなバーを再現します。
▲草丘の間のテーマは「文化財Ber」
▲意匠を凝らしたバーでひと休み
レトロモダンなステンドグラスが灯る、ノスタルジックな広間です。バーのスツールにも座れるので、当時の雰囲気を楽しめます。「モダンガールの資格十ヶ条」も展示されていますが、洒落も効いるのでぜひ読んでみてください。
2024/04/16| TAGS: lifestyle
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