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古き良き日本と出会える。宿場町が残る中山道で行く【岐阜・東美濃エリア】の旅

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|それぞれの個性を感じられる宿場町めぐり

 

中山道を歩く人たちにとって重要だったのが宿場町の存在。東美濃エリアには6つの宿場町が置かれ、現在でもさまざまな見所があります。

 


▲坂道を中心に多くのお店や宿が軒を連ねている「馬籠宿(まごめじゅく)」

 

「馬籠宿(まごめじゅく)」は県境に最も近く、長野県側の「妻籠宿(つまごじゅく)」とセットで訪れる海外からの観光客も多い場所。昔ながらの街並みが美しく残されているので、ただ歩き回るだけでも存分に楽しめますし、街並み+山々という景色を見られるのは坂の宿場ならではの魅力です。

 

▲「落合宿本陣」は外観から歴史を感じます

 

他にも、多くの宿場町で見逃せないのが「本陣」と呼ばれた場所。「本陣」というのは、公家や大名、幕府の役人など、身分が高い人が利用した格式の高い宿泊施設のことを指しています。すでに建物自体がなくなっている町も多く、中津川市の「落合宿」は岐阜県内で本陣建築が唯一現存している宿場。最も古い部分は築200年以上の歴史を持ち、見応え抜群です。

 

|水がきれいなエリアはグルメも豊富

 

東美濃エリアの自慢は自然景観や宿場町だけではありません。水がきれいな地域ということもあり、さまざまな美味しいグルメを楽しむことができます。

 


▲東美濃エリアだけでも100を超える店舗が提供している「五平餅」

 

特に、うるち米を潰してまるめたものを串に刺し、味噌や醤油をベースにクルミやゴマを入れたタレをつけて焼き上げる「五平餅」は中部地方の山間部に伝わるご当地グルメとして全国的に有名。五平餅にも種類がさまざまあり、一般的によく知られるのは平たい「わらじ型」ですが、東美濃エリアでは3〜4個が連なった「だんご型」を提供しているお店も多く見られます。店によってタレの味が違うのはもちろんのこと、隠し味もそれぞれ個性があるので、食べ比べするにもピッタリです。

 

また、東美濃エリアには日本酒を作っている10の酒蔵があります。

 


▲土地の豊かな食材を活かした地酒も見逃せません

 

江戸時代中期に創業した「株式会社三千盛」の代表銘柄である「三千盛」は、食事に合う日本酒として全国的な知名度を誇っています。他にも、中津川市にある二ツ森山の中腹に酒蔵を構える「恵那醸造株式会社」の「鯨波(くじらなみ)」など、食事に合わせた地酒を選ぶこともできるので、好みの一杯を探してみてはいかがでしょうか。

 

地域の銘菓としては「栗きんとん」が人気。「栗菓匠七福」「御菓子所 川上屋」「すや」など、名だたる栗銘菓の本店が置かれているため、お土産に買って帰ることをおすすめします。

 


▲栗を使った銘菓は東美濃エリアの人気お土産

 

基本的に「栗きんとん」そのものは秋から冬にかけての季節限定の商品ですが、わらび餅や干し柿と組み合わせたものなど、栗の旨味を楽しめる通年販売の商品も多くありますよ。

 

一般的なイメージでは「中山道」といえば、長時間歩く必要がある場所ということで体力に自信がない方は敬遠しているかもしれません。実際には、全てを歩く必要はもちろんなく、行きたいスポットをピックアップして楽しむことも可能となっています。

 

 

ぜひ今回紹介した気になるポイントをチェックして、東美濃エリアの歴史ある風情に触れる旅をしてみてくださいね。<text&photo:岡本大樹>


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