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親の介護相談室(5)せっかく入居できた介護施設。「やっぱりイヤ」と出所しちゃった!?

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現役ケアマネージャー“ケアマ姐さん”に聞く、親の介護相談室(5)親が介護が必要になり、介護施設へ入居させることを考えています。どこがいい?

 

相談者:Sさん(50代・専業主婦)

 

ケアマ姐さん:某地方都市にて、学校を卒業してから約30年間、介護職に従事し続けてきたプロ。2006年の介護保険制度の改正主任ケアマネージャーの資格を取得。利用者のケアプランを作成するほか、ケアマネージャーを管理や指導も行う。モットーは、介護を受ける本人だけでなくご家族の方との信頼関係も築くこと。

 

・「お試し入居」という手も。介護施設を選ぶポイント

 

Sさん:親の認知症はそれほど進行していないのですが、要介護となったタイミングで本人の希望もあり、介護施設に入居してもらおうと思っています。でも、たくさんの種類があり、みなさんどうやって選んでいるのでしょうか?

 

ケアマ姐さん:まずは、認知症になったり介護が必要になったら、介護認定の申請を行いましょう。すると、担当のケアマネージャーさんに相談することができます。本人や家族の希望、予算などから、該当施設を探してくれますよ! それに、介護施設と一言で言っても公的な施設から民間の企業が運営する施設まで、種類はたくさんあります。「特別養護老人ホーム」「認知症グループホーム」「有料老人介護付きマンション」「サービス付き高齢者住宅」など。もしかしたら、自宅とショートステイを併用する方が良いかもしれないという提案もしてくれるはずです。

 

Sさん:なるほど。実は今は別々に場所に暮らしているのですが、施設の入居とともに私の自宅の近くへ移ってもらおうとも検討しているのですが、管轄外の介護施設を探してもらえるのですか?

 

ケアマ姐さん:もちろん地元のホームの方が情報はたくさん持っていますが、連携しながら全国どこでも探すことができます。ひとつアドバイスがあるとしたら、入居の前に「お試し入居」ができるなら、体験をおすすめしています。入ってみて合わなかったということは多々ありますし、特に遠方の場合は引っ越しも大変! できるだけ事前に施設について知ることが、ミスマッチを防ぐポイントになります。パンフレットを見て高額な介護施設に入居したものの、暮らしてみたら雰囲気が合わず最初は我慢していたのですが、しばらくしたらどうしても退所したいと本人から申し出があり、入居一時金の一部が無駄になったという話を聞いたことがあります。プライバシーが守られているとはいえ、他人と生活をともにするわけですから、合わないこともあるのは仕方のないこと。ですから、そのようなリスクを少しでも減らすためにも「お試し入居」をしましょう。

 

Sさん:せっかく入居できたのに「イヤだから出たい」と言われても困りますよね。でもそれよりも、ストレスを抱えたままそこで暮らして欲しくはないですし…。もし、認知症になってから施設を選ぶ際は本人の希望よりも、私たち家族の判断になると思いますが、どんなところをチェックしたらいいですか?

 

ケアマ姐さん:施設の設備の充実度や医療体制はもちろんですが、そこで働くスタッフの皆さんの雰囲気も大切。家族を預けるわけですから、「この人たちにならお願いできる」「信頼できそう!」という施設を選んでください。入居する本人だけでなく、家族のみなさんも関わっていくわけですから。

 

Sさん:そうですね!大切な家族の住まいですから、しっかりと確認したいと思います。


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