|「おむすび」のような旅人
「おにぎり」はコンビニなどで使用するカジュアル、「おむすび」は、どこかフォーマルというのが私のイメージです。
「おにぎり」は「握り飯」が原型で、鬼を切るという意味もこめているという説があり、
一方、「おむすび」は平安時代の貴族の女性たちが呼び、神の恵みを結ぶという説があるらしい。
以前、友人は「おにぎり隊」という国際交流団体の実行委員長をされていました。
チベット、ミャンマー、トルコなどに米や梅干しを持っていき、おにぎりを通して国と人との縁をむすんでいたのです。
彼は大学卒業後、実業家を目指し、モロッコに渡りました。
モロッコにマツタケがあり、現地では食べないので、日本に輸入するビジネスをしようと思いついたのです。
しかし、モロッコ人に騙され、日本から持っていった資金は、あっという間になくなって帰国。
その後、パリダカレースのナビゲーターに出場し、トラック部門で3位に入賞、
今度は、メキシコでオパール鉱山主と出会い、宝石商の道へ進み、
現在は、日本の伝統工芸の作家や職人の手を借りながら、新たな作品を創るアーティストへ。
彼の人生を聞く度に、転がりながら人の縁を結ぶ「おむすび」のような人生だなぁと感じるのです。
朝の連続テレビ小説「おむすび」が始まるニュースを見て、ふと彼を思い出しました。<text:イシコ>
2024/09/28| TAGS: lifestyle
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