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デリケートゾーンのかゆみ…。薬剤師が解説「かゆみの原因」と「セルフケア法」

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では、デリケートゾーンのかゆみはどうやって抑えたらいいのでしょうか?

 

症状が軽ければ、かゆみは自然に治まることが多いです。この場合、無添加のワセリンや保湿剤でデリケートゾーンの乾燥を防ぎ、下着やボトムスを通気性の高いものに変えてみるといいでしょう。

 

ただし、性感染症に心当たりがあったりおりものに異常があったりする人は、早急に医療機関を受診すべき。受診する科は、婦人科・皮膚科・性病科・泌尿器科のいずれかです。

 

|ホルモンバランスを整えるためのセルフケア

 

デリケートゾーンのかゆみの原因である女性ホルモンのバランスを整えるには、バランスのいい食生活と、十分な睡眠、適度な運動とストレスをためない生活を送ることが大切。でも、忙しい毎日の中でこれらを行なうのは難しいものです。そこで、今回はもっと手軽にできる対策を3つご紹介します。

 

(1)ストレッチ

 

冷えは女性ホルモンの大敵。寝る前やお風呂上りの5分間でいいので、ストレッチをしましょう。血流がよくなり、女性ホルモンのバランスが整いやすくなります。

 

(2)ツボを押す

 

ツボ押しもおすすめ。試してほしいツボは「血海(けっかい)」と「三陰交(さんいんこう)」です。

 

 

「血海」は下腹部の血流をよくするツボで、生理痛や冷えなどの改善につながるほか、血の巡りがよくなることで全身の倦怠感の緩和が望めます。「三陰交」は女性の不調に対する万能のツボともいわれ、生理トラブルのほか、ホットフラッシュや冷え、むくみといった更年期の諸症状にも効果が期待できます。

 

(3)漢方薬を活用する

 

デリケートゾーンのかゆみを根本から改善するなら、漢方薬の服用もおすすめ。「血流を改善して必要な栄養や潤いを皮膚に届ける」「湿熱を取り除き炎症を和らげる」といった働きのある下記の漢方薬を選ぶといいでしょう。

 

・温経湯(うんけいとう)…更年期障害や月経困難症など、女性によく使用される漢方薬。血流を改善して全身に栄養を行き渡らせることで、かゆみや湿疹に働きかけます。

 

・竜胆瀉肝湯(りゅうかんしゃかんとう)…生殖器系・泌尿器系にたまった余分な熱を抑えることで、炎症やかゆみに働きかけます。おりもののほか、排尿痛、残尿感、陰部のかゆみなどを改善にも効果。

 

なお、漢方薬を選ぶときには、自分の体質にあったものを選ぶことで効果を感じやすくなります。逆に、体質にあわないと副作用が出る可能性もあるので、プロの薬剤師に漢方薬を選んでもらうといいでしょう。

 

デリケートゾーンのかゆみは、なかなか人に相談しづらい悩みですが、ストレッチやツボ押し、漢方薬の活用といずれも気軽に始められるので、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてくださいね。<text:薬剤師・碇 純子(いかり すみこ)


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