2024年の年末。最後の三者面談で、娘の担任の先生にわたしは開口一番、こう言いました。
「受験生たちは、先生や塾の先生、担任助手の大学生たちに相談できるけど、受験生の親はメンタルが弱ったら誰に相談したらいいんでしょうか…??」
娘とともに、まあまあ追い込まれた2024年から2025年へ。年が明け、いよいよ受験追い込みです。初詣は地元の神社へ。去年まで娘とわたしが持っていた御守りやお札も一気にお返ししてきました。
いろいろリセットの年になりそうな今年。受験生の親としての役割も、あと2カ月(の予定)ですが…。どうあるべきか難しい! と感じたことがいくつかあります。
・友だちができない問題
去年の夏、塾の保護者会がありました。「友だちは無理でも、挨拶できるくらいの顔見知りのお母さんはできるかな。子どもへのサポートについて共有しあえたらいいなぁ」などとのんきに思っていたわたし。いざ、その日がきて塾へ少し早めに着いたわたしは、後から来るお母さんたちとまず、「こんにちは」と挨拶を交わす気満々で待ち構えていました。
でも…
誰とも目が合わない。見事に誰も、わたしと目を合わせてくれない。保護者会が始まるまで、沈黙が続き。それでもあきらめの悪いわたしは、「保護者会が終わってエレベーターで一緒になったら挨拶くらいはできるかも」と次のチャンスを狙いました。
が…どの親御さんからも、
「ハナシカケテコナイデクダサイ」
と言うオーラを感じながらの4人くらいしか乗れないエレベーターの中で過ごした時間の気まずさよ。
友だちになれたら、なんて思ってすみませんでした!
と、しょんぼりしながら帰りました。
考えてみたら、子ども同士の志望校が同じでライバルかもしれないし、お互いどの大学を志望しているとか微妙すぎて言えなそうだし、下手に親しくなったところで入試の結果次第では微妙な関係になる可能性もあります。
とはいえ、あまりに相談相手がいなくてつらいよ!
追い詰められたわたしは、去年12月に娘が「受験やめる」と爆弾発言をしたときに自分もかなり追い込まれてしまい、とうとう、冒頭のように娘の担任の先生に泣きました。
結果、それでよかったと今は思っています。思い切って相談し、先生が一緒に娘をサポートしてくださったことで、自分を立て直すことができました。
受験生の親だって、泣き言言うの大事。サポートしている人にも、時にはサポートが必要。
・娘の無理難題にどこまでこたえるか問題
最近わたしは、自分をかぐや姫に求婚している皇子のようだと思いながら過ごしています。
かぐや姫が出した無理難題、「仏の御石の鉢」「蓬萊の玉の枝」「火鼠の裘(かわごろも)」「龍の首の珠」「燕の産んだ子安貝」よりは楽なものの、まあまあ難しいミッションがふってくるからです。
たとえばある日。「サラサの青ボールペンを買ってきてほしい。あしたの8時半から塾で使いたいから」
そう言われたのは、「あした」の前日である1月2日の夜。Amazonプライムでも絶対間に合わないタイミングです。
翌朝、娘より先に家を出て、セブンイレブン2軒、ローソン、ファミマ3軒、まいばすけっとをめぐり、最後に行ったセブンイレブンで、サラサの黒・赤・青の3色ボールペンをようやくゲットしました。ギリギリミッションクリアです!
他には、
「勉強している間に髪の毛を乾かしてほしい」
「身支度している間、話しながら横にいてほしい」
「ものすごく細いポストイットを買ってほしい」
「楽しくなるような思い出の品(たとえば小学生時台のプリクラなど)を出してほしい」
などがあります。
・「かぐや姫」にNOと言ってもいいのか問題
とはいえ、叶えられない(わたしにとっての)無理難題も。たとえば、
「一緒のタイミングで寝てほしい」
これについては、ごめんと思いつつ基本的にお断りしています。理由は、わたしは毎朝5時台には起きるので、娘と0時半以降に寝ていたら体がとてももたない(ショートスリーパーではない)から。寝不足でダメージを受けてしまうと、娘のサポートに支障が出てしまうので、これだけは年に数回くらいしかこたえてあげられません。
できないことは、できない理由とともに伝えてやらない。自分の気力体力の残量をこまめに確認し、無理してこたえすぎないようにした結果サポートの質が上がったのか、むしろ関係が良くなりました。
・どこまで楽しんでいいのかわからない問題
「奇跡の9連休」といわれた今年の冬休み。自転車で行けるAEONか、隣駅のピラティススタジオまでが一番の遠出でした。
クリスマスも大晦日も元日も、多くの受験生と同じく、塾で過ごした娘。すでに推薦で合格している娘の友だちが年末年始のイベントや外出を楽しんでいる様子をSNSでみて、なんとも言えない気持ちになっているのを知っているので、わたしもなんとなく遊びを封印。
娯楽といえばAEONでの買い物とカフェで過ごす読書時間。そして、家でほぼ毎日昼寝できたのは普段はなかなかできないことなので、これも娯楽と言えましょう。
…ちなみに、ピラティスは心身の健康を保つために必要なので、娯楽ではなく、必要なメンテナンス時間としています。お風呂に入ったり、歯磨きしたりするのと同じ感覚です。
受験生の親になったことで、自分が、「どこまでなら苦にならずに娯楽を控えられるのか」ということも、改めてわかったような気がします。
インフルエンザやコロナなどをもらってしまうといけないので、人混みも避けている今の過ごし方。思えば、コロナ禍にもある意味似ていますが、あの頃に比べたら格段に自由があるし、もともと出不精なわたしにとってそこまで無理している感覚はありませんでした。
誰かをサポートするためには、自分のメンタルと体調を安定させることにはしっかり時間とお金をある程度使い、自分を犠牲にしすぎないことも大事。
「受験生がいるからすごく我慢している」
と感じないよう、娘が塾に行っている時間には自分をケアしたり、楽しい時間を過ごしたりもすること。そしてキチンと? 弱音も吐くこと。
受験生という「かぐや姫」と過ごす春までの時間は、すべてを叶えようとする皇子としてではなく、「親」の新しい塩梅を見つけるための経験になりそうです。<text:なまけるための片付け/花太郎(整理収納アドバイザー) https://note.com/namake_kataduke>
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2025/01/15| TAGS: lifestyle
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