special reportスペシャルレポート

青森の素材を活かすスペシャルディナー。【リラボ メディカルスパ & ステイ】のフレンチに注目

Twitter
LINEで送る

 

コースの中盤にはシェフのスペシャリテ「青森の冬の大地 ネイチャープレート」が運ばれます。青森で取れた野菜や山菜を変化に富んだ味付けで楽しむ13種類の料理です。

 

青森市内で栽培されている伝統野菜「筒井紅かぶ」を使ったピクルスや「菊ホワイトバルサミコ」、紫色の芋は「シャドークイーン ぶどうマスタード」など見た目もカラフル。特にオレンジの味がする「さつまいも サフラン オレンジ」など驚きの連続です。食べる順番は決まっていませんが、温かいものから食べるのがおすすめです。

 

▲「青森の冬の大地 ネイチャープレート」

 

実は長いもも青森の名産品。フリットした長いもに軽く赤ワイン塩が振られ、ほのかな塩味とサクサクと小気味よい歯応えを楽しめます。シャキっとしたほうれん草のお浸しは、フランスのディジョンマスタードソースでいただきました。

 

▲「長いもフリット 赤ワイン塩」と「ほうれん草 ディジョンマスタード」

 

ローズマリーで香りづけしたきく芋は、食物繊維を多く含み健康野菜としても知られます。歯応があって、噛むほどに味噌の風味が広がります。

 

▲「きく芋 味噌 ローズマリー」

 

ソテーされたたもぎ茸はスパイシーな味付け。やま芋の茎にできる “むかご” も栄養豊富で、酸味が凝縮したドライトマトでいただきます。

 

▲「たもぎ茸 ソテー」と「むかご ドライトマト」

 

今回のディナーで唯一青森の郷土料理として登場したのが、ネイチャープレートの中央に置かれた「けの汁」です。細かく刻んだ野菜や山菜などを具だくさんに入れ、青森の味噌を使ったスープ仕立て。小正月(旧暦の1月15日)などに作り置きをする保存食で、北国青森の冬の味です。

 

▲スープ仕立ての郷土料理「けの汁」

 

|調理技法を駆使したメインの料理

 

コースもいよいよ終盤になり、魚料理、肉料理、デザートへと進みます。注目はその調理法。魚や肉の美味しさが引き出され、存分に楽しむことができました。

 

この日の魚料理は鱸(すずき)で、津軽もち麦とオマールエビのリゾットが添えられ、エビやカニなど甲殻類をトマトで煮込んだ濃厚なビスクソースが注がれます。

 

▲「青森産鮮魚 ベルモット 白ワインのガストロバック 津軽もち麦とオマールエビのリゾット ビスクソースで」

 

鱸(すずき)を真空状態で減圧しながら加熱する “ガストロバック” 調理法は、しっとりと柔らかな身に旨味がたっぷり閉じ込められ、白ワインとベルモットの風味が後を引きます。オマールエビを忍ばせた “津軽もち麦” のリゾットも、濃厚なソースと絡めて旨味を堪能しました。

 

▲ビスクソースをたっぷり絡めていただきました

 

メインの肉料理は五戸町の銘柄牛「あおもり倉石牛」のステーキです。こだわりの焼き方は、45度の低温で30分間ゆっくり火入れし、その後160度と加湿60パーセントで肉の芯温が45度になるまで焼き、ブラストチラーで急速冷凍。再び50度の炭プレートで焼き上げます。肉が柔らかく旨味もぎゅっと閉じ込められた逸品です。マッシュルームや青森のりんごを使ったソースと梅マスタードでいただきます。

 

▲「青森県産牛フィレステーキ ReLabo スタイル ソースシャスールと梅マスタードを添えて」

 

りんごの花の蜂蜜を使ったアイスクリームにはリンゴのソースを敷き、赤いリンゴの皮からエキスを抽出したエスプーマ(泡)が全体を包みます。エスプーマの甘酸っぱさ、蜂蜜の奥深い甘み、青森リンゴのフルーティーで爽やかな味が重なります。ドリンクはコーヒーかオーガニックのカモミールティーから選びます。

 

▲「りんごの花の蜂蜜をアイスクリームで 青森産リンゴのエスプーマを添えて」

 

|青森の街を眺めながらのバータイム

 

レセプションフロアにあるバーカウンターは、行燈をモチーフにしたデザイン。健康カクテルや地元の希少な日本酒、ソムリエが厳選したワインなどもそろえます。

 

▲BAR THE BLUE

 

▲窓際のテーブル席からは青森駅のロータリーを見下ろせます

 

ホテルのロゴがラベルに描かれたシードルは、青森県で誕生したりんご「ふじ」だけを使い、タンク内で二次発酵した天然発泡のドリンクです。優しい炭酸と共にリンゴの風味が口の中に広がり、そのうえ低アル。とても飲みやすかったです。バーやレストランで注文できます。

 

▲ホテル特注のプレミアムシードルをいただきました

 

青森産の食材を中心に、その魅力を引き出したコースディナー。料理が運ばれるたびに驚きがあり、食べ進めるとその美味しさに感動。夜を彩る美食を楽しみに、ぜひ青森旅に出かけてみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:ReLabo https://relabo.com/


前のページへ

1 2

border